今宿在住の画家・松下辰枝さん(59)が、フランスの展覧会「サロン・ドートンヌ展」に初入選した。作品出展も初めて。10月12日からパリで開催される展覧会に、松下さんの作品が展示される。
サロン・ドートンヌ展は、日本語で「秋の展覧会」という意味。毎年1回、秋にパリで5日間〜2週間程度開催されている。今年は10月12日(水)から16日(日)に、シャンゼリゼ大通りの特設会場で開催される予定だ。
同展覧会は1903年から始まり、日本人では過去にヒロ・ヤマガタや鶴岡義雄らも出展している。
入選したのは椿の花を描いた作品。サイズは50号(縦1167㎜)あるが、特別に展覧会を意識して描いた作品ではないという。松下さんは「日ごろ描いていた作品の中から選んだ。入選するとは思っていなかった」と驚く。松下さんは「若いころは、公募展に入賞することが全てだと思っていたけど今は違う。どのような評価をいただいても、自分が良いと思える作品を描くことが大切」と話す。
作品はアクリル画が中心。花や自然をはじめ、街を歩いて「いいな」と思うものを自分なりに表現するという。「特別なことはしない。生活の中にある風景や身近なものを、自分の作品にするから」
幼いころから絵を描くのが好きだったという松下さん。しかし「周りには上手な人がたくさんいるし、画家でやっていこうとは考えてもいなかった」と振り返る。約40年前に茨城県に引っ越したとき、近所の公民館の絵画サークルに参加。そこで出会った恩師に感銘を受け、自身も「絵に全てを注ごう」と決意した。「子育て中も上手く時間をやり繰りして絵は描き続けてきた。絵にはゴールがない。追求すればするほど”何か”が出てくるから。これからも楽しんで続けていきたい」と意気込んでいる。
区内施設でボランティアも
画家として活動する一方、松下さんはひかりが丘地域ケアプラザや特別養護老人ホームなどで月4回、入居者やデイサービス利用者を対象に絵画教室を開いている。ケアプラでは開所以来8年ボランティアを続け、毎年夏休みには子ども絵画教室も行う。松下さんは「自分は一緒に楽しませてもらっている立場。役に立つことがあれば何でもしたい」と笑顔をみせる。
「やればやるほど、描きたいものが出てくる」―。決して無理せず、絵は生活の一部。これからも自分のペースで作品を描き続ける。
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