夏の神奈川大会・8強入りから3カ月。県高校野球秋季大会(県高野連主催)で準優勝に輝いた横浜隼人高校=瀬谷区=は、10月27日から群馬県で行われる秋季関東大会に出場する。今春に続き、関東出場は初。7月27日に始動した部員87人の新チームが、全国の頂点を見据え、進化を続けている。
春に続く躍進を、水谷哲也監督(48)は「上級生の勝ち方や戦いぶりを、後輩たちが高い意識で見て学んできたから」と分析する。7月の神奈川大会準々決勝で日大藤沢に敗れた翌日、横浜隼人は公式戦の正選手不在という、総入れ替えの顔ぶれでスタートした。実戦不足を補おうと練習試合を重ね、9月の県大会までこなした試合は地区大会も含めて40試合を超える。
今夏、甲子園で1試合22奪三振の大会新記録を達成した松井裕樹投手の桐光学園や、10月7日の県秋季決勝を制した東海大相模など強豪校がひしめく神奈川。そんな中、タレント不在で挑む横浜隼人には「選手も走塁コーチ、応援、マネジャーもみんながレギュラー」という哲学が軸にある。
同校に野球部寮はなく、部員は一部町田市を除き全員が県内在住。「練習量や思い、仲間意識で戦っているチームとして、それぞれのポジションを全うするのみ」と水谷監督は強調する。
2人の小さな巨人
激しいポジション争いで台頭してきた1人が、1年捕手の伴善弘(ばんよしひろ)君(16)=戸塚区。165cm、65kgと小柄ながら、「コミュニケーション能力が高く、周りに指示が出せる」と監督が話すとおり、落ち着いた振る舞いで上級生中心のレギュラー陣をまとめる。「プレッシャーはあるが、自分ができることをしっかりやるのみ」。強肩強打を武器に、チームを盛り上げる。
「長打を打つタイプじゃないが、自分がアウトになっても主軸につなげる」。守備の要、遊撃手で主将の2年、荒井晃樹(あらい こうき)君(16)=泉区=は166cm、67kgの体から繰り出す巧打で隼人打線をけん引する。「部員が多い中、正選手で主将は珍しい」(水谷監督)というように、チームのまとめ役とプレーヤーを両立する貴重な存在だ。「1番から9番までどこからでも得点できるのがうちの打線。(荒井主将は)裏方に回ってチーム全体を高めてくれる」と監督の信頼も厚い。
15校が出場する関東の初戦は10月28日、埼玉1位の花咲徳栄戦。優勝校は11月の明治神宮大会への道が開けるほか、関東2勝で来春のセンバツ出場が見えてくる。「目標はあくまで全国制覇。未来の部員に大舞台での戦いを見せたい」。監督、選手の思いは一体だ。
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