「希高座」7年の歴史に幕 生徒が企画立案の寄席
神奈川県立希望ヶ丘高校(福島繁校長)で3月16日、生徒が演出する寄席「希高座」が行われた。2007年から総合学習のひとつとして開催されている同高座は、カリキュラムの変更により今回が最後の開催となった。
総合学習の選択科目のひとつが「落語でみる江戸の文化」。同講座の目的は、落語を通じて江戸の文化に親しむこと、魅力的な自分の表現方法を学ぶこと、高座を開催し企画運営能力を高めることの3つ。実際に落語家を招き、座学を含め、所作やしぐさ、謎かけの作り方などを1年かけて学ぶ。
「希高座」は同講座を選択した3年生が、同学年向けに発表会を開いたのが始まり。企画立案から開催までを生徒が手掛け、地域の人にも開放して年2回のペースで行ってきた。
大喜利でプロと勝負
最後となった希高座には、地域住民や同校OBなど82人が集まった。生徒たちはマジックショーやリレー落語、漫才、大喜利に挑戦。ゲストで金原亭馬吉さん、一龍齋貞寿さん、三遊亭好の助さん、春風亭ぴっかりさんなど、プロの噺家が落語や講談を披露した。
プログラムの最後に行われた大喜利では、生徒たちがプロの落語家チームとの対抗戦に挑んだ。「3億円あったら」というお題に対し、生徒からは「銀座のバーに行く」との返答。「その心は」の振りに「好の助さんのツケを払いに行きます」と答えると「うまい」の掛け声とともに、会場が大きな笑いに包まれた。さらに、「銀座には行ってない。足立区だよ」との茶々で、再び笑いが起こる場面も見られた。生徒たちと4人の落語家の絶妙な掛け合いに、終始笑い声が絶えない大喜利となり、最終的に希高生チームが勝利を収めた。
観覧した安田喜好さん、みや子さん夫婦は「本当に楽しかった。生徒が一生懸命にやっていて、プロも顔負けだった。落語も今風にアレンジするなどの工夫もよかった」と笑顔で話した。
漫才を披露し、大喜利の司会も務めた植木裕香さん(18)は「高座が成功してよかった。落語に触れたこともなかったし、興味があったわけでもないけれど、1年間で上手く話せるようになった。プロの噺家さんとやれたのは貴重な経験になったし、ありがたかった」と振り返った。
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