旭警察署によると、2016年に自動車運転免許証を旭署に自主返納した人は368人で、15年の251人を117人上回った。また、今年3月12日からは、改正道路交通法の一部が施行。高齢者運転者が交通違反などをした場合、臨時認知機能検査が義務付けられるなど、高齢者の交通事故防止に向けた動きも進んでいる。
運転免許の自主返納制度は、加齢やけが、病気などによって、身体機能や認知機能が低下し、運転を不安に感じている人が自主的に免許取り消しの申請ができるよう、道路交通法が改正され実現した制度。自主返納を行った人は、希望すれば返納前過去5年間の運転経歴が記載された「運転経歴証明書」の交付を受けることができる。同証明書は、運転免許と同様、金融機関などで本人を確認するための身分証明書として使うことができる。
事故、約2割が高齢者
近年、65歳以上の高齢者が起こす事故がテレビや新聞などで連日のように報道されている。旭区内で昨年発生した交通事故の件数は672件(二輪・自転車を含む)。その内、高齢者が事故を起こした当事者である事案は162件で全体の約24%だった。前年である15年に比べると、全体件数で93件、高齢者が当事者の事故で31件の減少となったが、依然としてその数は多い。
横浜市内では昨年10月、80代の男性が運転する軽トラックが、集団登校中の小学生の列に突っ込み、当時6歳の男児が死亡する事故が発生した。旭区内の月ごとの免許の返納数は、同事故が起こった翌月である11月が53人と、年間を通じて最も免許を自主返納した人が多かった。返納者数の増加について、旭署の担当は、複数ある理由の一つとして「テレビなどのメディアを通して、高齢者の事故のニュースが多く報道されたのも一つの要因では」と話した。
3月から改正道交法施行
高齢者ドライバーの交通事故を防ぐため、法整備も進んでいる。3月12日からは、改正道路交通法の一部が施行される。同法では、75歳以上の高齢運転者が交通違反などをした場合、臨時の認知機能検査を受けなければならないことなどが定められている。
今年3月に自家用車を廃車にする予定だという中白根在住の男性(82)は「高齢者の車の事故がとても多い。これから自分の車に乗ることがなくなるので、免許を返納してしまおうと思う。駅まで歩くことで運動になる」と話す。旭警察署も「運転に不安を感じる場合は、ご本人でも、ご家族でも、警察署に相談していただければ」と呼びかけている。
運転免許の返納などについての問い合わせは、旭警察署【電話】045・361・0110へ。
|
<PR>
旭区・瀬谷区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|