今年4回目となる「繋がる@逗子発」を主催した「ビーサン・プロジェクト」の代表 小橋 綾美さん 逗子市逗子在住 48歳
地域の絆、輪につなぎ
○…福島第一原発事故の影響下にある子どもたちを招き、思い切り外遊びをしてもらおうとスタートした「繋がる@逗子発」。今年は伊達市などから9人がホームステイに訪れ、3泊4日の滞在中に思い思いの夏を過ごした。震災の翌年から始まった活動も4回目。受け入れる家族や個人、企業サポーターなど様々な支援が輪となり、継続の礎になっている。「自分ひとりじゃ何もできない。皆さんの協力があってこそ」と周囲への感謝が口をつく。
○…自身も2児の母。震災後、子どもたちが置かれた状況を知って心を痛めた。「自分が同じ立場だったら、どうしただろう」。胸のつっかえを抱えたまま時間が流れたが、同年の夏、宮城からの知人家族を家に招いたことがきっかけに。被災した当事者から話を聞くことで、報道よりも鮮明に「被災地の今」を感じることができた。一方で、滞在した知人からは震災を束の間忘れ「ゆっくりできた」とも。「被災地には行けないけど、ホームステイという形なら逗子にいながら支援ができると思って」と振り返る。
○…原発をめぐる問題について、特別な考えを持っているわけではない。ただ、胸に刻んでいる言葉がある。「福島のことを忘れないで」。活動始めの年、参加した子どもの保護者から言われた一言だ。再興への兆しは確かにある。それでも震災は風化していないし、させてはいけない。それは今も活動の原点だ。
○…震災から年月が経つに従って感じていることもある。活動は当初、一時避難の色合いが濃かったが、今は福島と地元の子らが交流する機会になりつつある。「伊達では多くの人が日常に戻れていて、関わり方も変わってきた。どういう思いで続けていくかを考えないと」。いい意味で自分たちも変わること。それが今後の課題だ。「子ども同士が楽しく繋がりを作れて、違う機会にまた訪れてくれる。今はそれが一番うれしいかな」と優しく微笑んだ。
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