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逗子・葉山 人物風土記

公開日:2024.02.16

リビエラ逗子マリーナ内レストランで自身の企画展が開かれている
平尾 香さん
逗子市新宿在住 51歳

創造力の源は行動力

 ○…「きれいな景色と合わせて作品を見てもらい、少しでもアートを身近に感じてもらえれば」。リストランテAO逗子マリーナで2月末まで開かれている企画展は地元開催だけに気合も入るが、「雄大な自然には負けちゃいますかね」と愉快に笑う。

 ○…神戸市出身。幼少から絵を描くのが得意だった。大学受験まで通った絵画教室の先生とは今でも交流がある。「先生と、いろいろな所に連れ出し感性を磨いてくれた母には感謝しきれない」と話す。美術短大卒業後、広告制作会社勤務、短大助手を経てイラストレーターとして独立。当初はなかなか仕事もなく、関西と東京でまめに個展を開き人脈作りに励んだ。2000年に手がけたパウロ・コエーリョ氏の小説『ベロニカは死ぬことにした』の装画が好評で後に、同氏のベストセラー『アルケミスト』も担当。「小説の世界観を体験しようと思って砂漠に行きました」と持ち前の行動力を発揮。今は何でもネットで調べられるが、実際に自分の目で見ることを大切にしている。

 ○…20代の頃、バックパッカーとしてアフリカをはじめ約20カ国を旅した。そこで得た自然の空気感がその後の作風に生きている。一昨年はアーティスト・イン・レジデンスで旭川に3週間滞在。「久しぶりにバックパッカー時代を思い出した。初心に戻るいい機会になった」と振り返る。

 ○…結婚を機に2005年、逗子に移住。故郷と雰囲気が似ていて、文化的にも刺激を貰えそうなところが気に入った。「披露山公園や大崎公園など一人になれる時間と空間が毎日ある。贅沢ですよね」。自然に囲まれ湧き出るインスピレーションで、次なる挑戦は絵本。創作意欲はとどまるところを知らない。

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