「スポーツGOMI拾い」を推進する一般社団法人ソーシャルスポーツイニシアチブの代表を務める 馬見塚(まみづか) 健一さん 葉山町堀内在住 49歳
ゴミ拾いはスポーツだ
○…制限時間は60分。号砲と同時に競技エリア内に放棄された空き缶やたばこの吸い殻は「ごみ」から「標的」に様変わりする。老いも若きも、皆が無心になってかき集める様子はさながら”宝探し”のようだ。種別ごとの重量とポイントの合計を競い、最も多く獲得したチームが優勝する。考案したのは、従来の社会貢献活動としてのごみ拾いにスポーツのエッセンスを加えた「スポGOMI」だ。
○…趣味は早朝のランニング。あるとき街を駆けていると、道端に捨てられていたペットボトルや袋が目に付いた。最初は見かける度に拾っていたものの、それだとうまく走れない。「ならば走りながら拾ってみよう」と発想を変え、ときには「利き手ではない側で」「走る速度を落とさずに」と自らにルールを課すと心境に変化が現れた。目先のごみが「汚いもの」から「的」になったのだ。「わずかな競技性を加えただけで向き合い方が劇的に変わる。ほかの人も同じように感じたらごみ拾いが全く違うものになるかもしれない」。付き合いのあった大学生らと競技用ルールを作り、8年前都内で初開催。熱中する参加者を見て確信を得た。
○…それまで自主的に関わっていなかった人たちがスポーツという形を通して社会貢献に参加する。そんな枠組みが功を奏し、イベントは北海道から沖縄まで全国に拡大。開催回数はのべで550を超え、6月には海外でも初開催した。ごみ拾いをスポーツに変換するという発想は国境の垣根を越えて広まりつつある。
○…開催場所が物理的に綺麗になるだけではない。スポGOMIには参加者が普段とは違う視点で目を凝らすことで地域への愛着を育んだり、環境への関心を持続的に高める側面もある。今月下旬には森戸海岸を会場に葉山でも初開催を控える。「地元の人には新しいごみ拾いの楽しみ方を、外から参加する人にはビーチの景色など葉山の魅力を感じてもらえたら」
|
<PR>
|
|
|
|
|
|