緑区版 掲載号:2012年8月30日号
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特別自治市 市民に利点を示せ デスク・レポート

 ▼横浜市は二重行政の解消などを目的に、県から独立して国の事務以外をまとめて行う「特別自治市」への移行を目指し、議論を進めている。6月には県が市内で行う事務を市が処理することなどを柱とした素案の骨子を取りまとめた。今後、市会の議論や市民の意見などを参考にし、年内には大綱を策定する予定だ。

 ▼大都市制度に関しては、大阪市の橋下徹市長が現在の24行政区を8〜9区に再編する「大阪都」構想を掲げている。現在、国会では、この構想を実現させるために与野党が共同で提出した「大都市地域特別区設置法案」が審議されており、成立は時間の問題。昨年11月の大阪府知事選・市長選を通じて都構想を訴えたことで、橋下市長の考えは大阪から全国に伝わり、国会も後押しに動いた。横浜を追い越す形で大阪が大都市制度に関する議論の主導権を握った格好になった。

 ▼特別自治市も大阪都も二重行政の解消という目的は同じだが、県から権限と税財源を移譲して独立する特別自治市は、市の権限を特別区に移す大阪都とは異なる。林市長は都構想を「大都市を分割する発想」として否定的な見解を示す。ただ、審議中の法案には特別自治市のことは盛り込まれておらず、林市長は「怒りを感じる」と不快感をあらわにした。市長は昨年8月から国の地方制度調査会の臨時委員として大都市制度のあり方の議論に参加してきた。それだけに、大阪の議論が先行する現状に危機感を抱いているのであろう。

 ▼特別自治市が実現すれば、行政費用の削減だけでなく、県管轄の幼稚園を保育園とともに所管でき、効率的な子育て支援策が展開できるなど、メリットも多い。さらに、区の権限強化に伴う住民自治機能の強化により、地域課題を解決しやすい仕組みができる。一方、県の税収減による県内自治体へ与える影響など、考えるべき課題も多い。

 ▼市民生活に深く関係するにもかかわらず、特別自治市制度の市民への浸透度はゼロに等しく、意見を求めるにはほど遠い状況だ。市は市民にこの制度の内容や利点、課題をあらゆる場で説明していくことが必要になる。市は国へ法改正の働きかけをすること以上に、市民としっかりとした議論ができる環境づくりに取り組むことが何より重要だ。
 

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