区内のものづくり企業を連載で紹介する。
第6回は、海内工業株式会社(上山1丁目5の15)。同社は、1958年創業の精密板金加工の老舗企業だ。
そんな企業の旗を振るのが、海内美和社長だ。子どもの頃に、父が経営する町工場で遊んだ記憶が今も残る。だが、自身が会社を継ぐとは考えてもいなかったという。
大学卒業後は、資産運用会社で働く日々を送る。転機となったのは、2008年のリーマン・ショック。「思い入れのある工場が潰れるかもしれない。自分が守らなくてはいけない」と感じ、26歳の時に入社。ものづくりの世界に飛び込んだ。「仕事がなく、機械が止まっていたからなのか、工場内が寒かった」と当時を振り返った。板金を持ち、横浜市内を提案に回る日々。会社の状況を変えるために走り回った。
「厳しい道を選べ」
父親が突然病気で倒れ、社長の椅子を任されることになったのは31歳の時だった。「どうしよう」。会社をたたむことも脳裏をよぎったが、その時思い出したのは、祖父の「迷った時は、厳しい道を選べ」という言葉だった。
また、仕事一筋だった父のためにも、「工場を絶対に守りたい」と決意を固めた。その後、海内社長は、目標を語り続けた。新たに採用した人たちも少しずつ情熱を燃やし始めている。「厳しい状況かもしれない。でも、ものづくりの分野で明日に向かって、頑張る人たちも多い。一緒に明るい光を見出していきたい」と強い意気込みを見せた。
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