新型コロナウイルス感染症が世界の子どもたちに与えた影響などを伝える写真展「新型コロナウイルス感染症と世界の子どもたち」が13日から18日の間、みどりアートパークで開催された。
同写真展は、神奈川県ユニセフ協会が主催したもの。会場では、国連児童基金(ユニセフ)の現地事務所が撮影した支援している子どもたちの写真に県ユニセフ協会が説明文を加えたパネル20枚を展示していた。
県ユニセフ協会の関山万里子事務局長は「日本では、なかなか報道されない、コロナ禍に直面する途上国の子どもたちの現状を伝えたかった」と企画の意図を話した。
手洗いできない子ども
西アフリカのコートジボワールの学校で撮影された生徒が手洗いをする写真。パネルでは、せっけんを使った手洗いは、コロナ感染症の予防に効果的だが、世界の学校の4分の1はせっけんも手洗い場もなく、手洗いさえ十分にできない子どもたちがいることを説明していた。ユニセフでは、7370万人にせっけんなどの手洗い用品を届けているほか、30億人以上の人々に感染予防のメッセージを届けている。そのような活動の紹介もされていた。
学校に行けない
13歳の子どもがシリアの自動車整備工場で働いている写真もあった。パネルでは、数多くの学齢期の子どもが新型コロナウイルスを理由として、学校を退学せざるを得ないリスクにあると指摘、近年の就学率の向上における成果が逆行していると警鐘を鳴らしていた。「学校に戻れず、児童婚や児童労働にまで追い込まれるリスクが高まっている」と関山事務局長。また、学校に行けないことで、給食が食べられず、子どもの成長にも影響が出ているという。
死産増加の可能性
コートジボワールで撮影されたのは、保健センターで医師による妊娠健診を受ける女性だ。パネルでは「医療現場への負担集中や、多くの医療従事者の罹患などにより、保健、医療サービスが圧迫されている。特に、低・中所得国では、提供される保健サービスが50%も減少している。これにより、117の低・中所得国で、死産が1年間に約20万件増える可能性がある」と説明をしていた。
ワクチン20億回供給へ
約20億回の新型コロナウイルスを供給するユニセフの挑戦を紹介したパネルも。「半世紀以上にわたるワクチン支援の高度な専門知識と経験を駆使し、熱に弱いワクチンを輸送する『コールドチェーン』(低温物流システム)を配備する重要な責務を担う」と書かれていた。
関山事務局長は「同じ空の下でコロナという同じ問題に直面している子どもたちの現状を多くの人に伝えられたのではないか」と話した。
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