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電動車椅子サッカー永岡真理さん 当事者の声 福祉の力に 横浜創英大で出前講座

教育

公開:2024年7月11日

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学生の質問に答える永岡さん(上)。ボッチャを通じて永岡さんと交流を深める学生たち
学生の質問に答える永岡さん(上)。ボッチャを通じて永岡さんと交流を深める学生たち

 女性初の電動車椅子サッカー日本代表選手として、2013年に第1回アジア・太平洋・オセアニア選手権大会(APOカップ)に出場し、初優勝の栄冠を手にした永岡真理さん(33、市内在住)を講師に迎えた出前講座が7月1日、横浜創英大学(三保町)で開催された。学生たちは対話やパラスポーツ「ボッチャ」を通じて交流し、当事者目線に立った障害福祉について理解を深めた。

 同出前講座は、障害当事者の声を聞く機会を創出し、障害についての理解促進などにつなげようと、神奈川県が昨年度から県内の小・中・高校などで実施しているもの。今回は将来、幼稚園教諭や保育士などを目指す同大の若者たちを対象に、障害福祉などの学びにつながればと同大が打診し、講座が実現した。

動ける喜び胸に 世界へ

 講座の冒頭、参加したこども教育学部の3年生約60人は、多目的室のスクリーンに映し出された映像に目を奪われた。そこにあったのは電動車椅子を自在に操縦し、コート内を縦横無尽に駆け回る選手たちの姿。素早く1回転させた車椅子で巧みにボールを「蹴り」、ゴールを目指す気迫溢れるプレーの数々が、学生たちをくぎ付けにした。

 映像では永岡さんの障害についても語られた。

 永岡さんは1歳4カ月のとき「SMA(脊髄性筋萎縮症)」と診断された。SMAとは、筋肉を動かすための運動神経細胞が変性し、筋力が徐々に低下していく難病だ。

 動画を見終えた学生たちを前に「これまで自分で立ったことも、歩いたこともありません」と永岡さん。「7歳で初めて電動車椅子をもらったとき、自分で動ける喜びを感じてとてもうれしかった」と言葉を続けた。

 幼少期にさまざまなスポーツを経験した結果、永岡さんは「動くことが好きな自分に一番しっくり来た」電動車椅子サッカーにのめり込むようになった。16歳のとき、男女混合で試合に臨む同競技の日本代表になることを決意。練習に打ち込み、21歳で女性初の日本代表選手に選出された。

 13年のAPOカップに臨み初優勝に輝くと、19年にも再び代表選手として同大会に出場。準優勝を収めると共に、23年開催のワールドカップへの出場権獲得に貢献した。

 現在は市内を拠点とするチーム「Yokohama(ヨコハマ) Crackers(クラッカーズ)」のキャプテンとしてメンバーをけん引。「遠征の際は全国どこにでも行く。海外にも向かいます」と力強く語る。

偏見ではなく関わりを

 講座では、学生から次々と質問が飛んだ。「車椅子生活で困ることは?」との問いには「歩道が狭いと、走っているとき車道側に落ちそうになる」と永岡さん。「障害のある方を街で見掛けたとき、私たちはどのようにお手伝いしたら良いですか?」との質問には「困っている人を見掛けたら声を掛けてみてほしい。声掛けがあるだけでもうれしいです」と答えた。中には「ほしいものは?」との問いに、永岡さんが「どこでもドアがほしい。遠征中の移動が大変なので」と答える場面も。両者は和やかな雰囲気の中、交流を深めていった。

 また、皆で「ボッチャ」を楽しむシーンもあった。学生は1グループが6人ほどになるように分かれて参加し、永岡さんを加えたチーム編成で対戦。グループごとに、投げた赤や青のボールをコート上の白いボールにいかに近付けられるかを競い合った。

 参加した山口由璃香さんは、永岡さんとの交流を通じて「障害のある人も無い人も同じ立ち位置なんだと学びました」、林美緒さんは「楽しいことがあるから頑張れるんだと感じた」と話した。

 同学部の持田訓子准教授は「相手を『知らない』ということなどが偏見を生むのだと思う。その解消には、知識を正しく得ることと、一緒に活動して関わり合うことが必要。今後も、今回のような『体験的な学び』を積み重ね、学生たちの理解を深めていきたい」と語った。

 永岡さんは「幼稚園の先生などを目指す皆さんにとって、将来、障害のある子に携わったとき、きょうの体験が少しでも役に立つとうれしい」と笑顔で話していた。

永岡さんを囲む参加学生や講座の関係者ら
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