「公式戦で1勝」――。その目標を掲げて創部5年目になる。県立横浜明朋高校(港南区港南台)は2014年に旧・港南台高校の校舎を使って開校した定時制高校。この年、野球部の前身となる同好会が5人ほどで立ち上がったという。
定時制・通信制の学校が参加する大会もあるなか、同校野球部は全日制の多くの学校と同じ舞台に立つことを求めた。部活動になった後の15年に高野連に加盟。現在主将を務める遠藤友也君(3年)は「有名強豪校とも同じカテゴリーで、定時制大会より勝つのは難しくなる。その分、勝った時の喜びは倍以上だと思う」と思いを語る。
だが、これまでの公式戦はほとんどがコールド負けで、目標には手が届かないでいる。
監督を務める鵜戸紘一郎教諭(41)は「アルバイトに勤しむ生徒が多いという環境は、定時制高校の部活としての難しさかもしれない」と話す。野球部にはかつて12人ほどが所属したこともあったが、練習に2人しか出てこない時期もあったという。「周囲に誘惑が多い中で部活に集中して取り組むのは難しいこと。勝負事なので勝たせてあげたいけど、厳しすぎれば辞めてしまうケースも少なくない」と鵜戸教諭はジレンマを口にする。
今年度の部員数は1年生から3年生まで合わせて6人。週末には横浜緑園高校(泉区)と合同練習を重ね、夏の大会には合同チームで臨む予定だ。
エースの鈴木祐司君(3年)は「ダルビッシュ有選手の動画を見ては、変化球のすごさに憧れる。それが練習のモチベーションにもなる」と語る。主将の遠藤君は「チームの課題は守備力。ミスをなくす基礎練習を徹底すれば、チャンスはあるはず」。その瞳はまっすぐに「1勝」を見つめている。
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