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石井誠弁護士が答える 元気の出る法律相談(110) 建物無償使用における特別受益
Q、兄は、亡父所有の家屋を20年にわたり無償で使用していました。この家屋の家賃相場額は月額5万円ですので、20年分の1200万円は相続において兄の「特別受益」にならないでしょうか?
A、結論から言うと、原則として特別受益には当たらないと考えられます。お兄さんが1200万円相当の経済的利益を得ていたことは間違いありませんが、特別受益は「『遺産の前渡し』と評価できるような贈与」などについて認められると解されています。お父様が家屋をお兄さんに無償で住まわせたとしても、基本的にはそれによりお父様の財産が減少するわけではなく、恩恵的要素も強いことから、「遺産の前渡し」とは評価できないと考えられます。
一方で、例えばお父様が所有する家屋がアパートや賃貸マンション等の収益物件である場合には、お兄さんに無償使用させた分だけ家賃収入が減ることになります。この場合、実質的に家賃相当額の財産がお父様からお兄さんに移転する「遺産の前渡し」と評価でき、特別受益に当たる余地があるように思われます。
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