電気料金 大企業６割が１千万円増 市が調査結果
川崎市は、東京電力（株）が行った電気料金値上げの影響について市内企業にアンケート調査を実施。先月21日、結果を発表した。大企業の６割が年間１０００万円以上の負担増となっていることなどが明らかになった。
調査は市内の企業１３３２社を対象に行われ、中小企業１４７社・大企業23社の計１７０社から回答を得た（回収率12・８％）。
調査結果によると、電気料金の値上げで、25・６％の企業が「大きな影響が生じる見込み」と回答し、「ある程度影響が生じる見込み」と答えた企業は55・４％だった。約９割の企業に影響が生じる結果となった。
企業の規模別に１年間の負担増額をみると、大企業の60・９％が「１０００万円以上」と回答した。中小企業では「10万円〜１００万円以内」が46・２％で最も多く、「１０００万円以上」は４・２％だった。
対策については36・７％が「対策を講じている」と回答。「対策を講じる予定」と答えたのは25・９％だった。具体策については「無駄な電力を削減」が47・７％で最も多く、次いで「設備や照明を省エネ型に更新」（22・３％）、「給与・賞与の削減」（７・０％）、「東京電力との契約内容の見直し」（６・０％）、と続いた。
一方で、「自家発電や蓄電池の導入」（２・０％）、「設備投資や新規の研究開発を中止／延期」（２・３％）、「価格への転嫁」（２・３％）、「生産量等の調整」（２・３％）、「生産地の変更」（１・０％）など操業のかたちを変え、新たな設備投資を実施する企業はわずかにとどまり、節電に努めながら従来どおりの操業を続けたいという傾向が浮き彫りになった。対策に必要な経費については、10万円から２０００万円までと規模や業種で回答にバラツキがみられた。
川崎市はこの結果を受け、今月から低利の制度融資の運用を開始した。従業員30人以下（商業・サービス業は10人以下）の小規模事業者に、上限２千万円、利率は年１・２％以内の融資を行う。期間は１年で、年末・年度末のつなぎ資金として支援に乗り出す。
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