4月1日付で宮前消防署の署長に就任した 原 悟志さん 横浜市在住 55歳
日々の「気づき」を大切に
○…署長として、10年ぶりに宮前消防署へ戻ってきた。「街には建物が増えて新しい住民も増えているが、以前と変わらず地域との関係が築かれている」と同署の印象を語る。30周年を迎えた宮前消防の伝統を引き継ぎ、関係機関や地元住民との「顔の見える関係づくり」を目指す。今回が初めての署長という立場。「職員がのびのびと働けるよう、気軽に相談しやすい身近な存在でありたい」と寛容な笑顔を見せる。
○…川崎市内の高校を卒業後、人の役に立ちたいと消防の道を選んだ。これまでの37年間、主に「救急」の第一線を駆け抜けてきた。1991年に一般の人が応急手当できる資格をとれるようになり、市民救命士養成のための講座づくりや川崎市初開催の全国救急隊員シンポジウムの責任者など、基盤となる取組みに携わった。「全て1からのスタート、手探りの中でやりがいも大きかった」。初めて宮前消防署に着任したのはちょうど20周年の時。救急とは離れ、「大会に向けて女性消防団員らと放水練習を一緒にしたのはいい思い出」と当時を懐かしむ。
○…横浜市緑区出身。4人兄弟の末っ子として、小川にホタルが飛ぶような自然の中でのんびりとそだった。「会話のエンジンが温まるまで時間がかかるんだよね」と穏やかさは健在だ。現在は母親と夫人、娘、そして息子家族と二世帯で暮らす。自宅では消防生活で覚えた料理の腕を振う。得意なのは卵料理。「お父さんの卵焼きが一番と娘に言われる」と嬉しそうだ。
○…座右の銘は「居安思危」。「平和なときだからこそ、災害を思い浮かべる。日常の中の『気づき』から何をすべきかがわかってくる」と日々用心を怠らない。「消防は劇団と同じ。署は稽古場のようなもので、隊員は本番のために日々練習している」とも。だからこそ「本番の舞台」となる地域を知ることを大切にする。地域と一体感をもつ、新しい消防の幕が上がった。
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4月26日
4月19日