市は、2013年10月から実施している使用済み小型家電の回収について、既存の収集システムに加え、このほど宅配便を活用したリサイクル事業を行う企業と協定を締結。国から示された指針量をめざし努力を続ける。
携帯電話やデジタルカメラ、ゲーム機等の小型家電には、鉄や銅、金、銀、そして「レアメタル」といわれる希少金属など、様々な鉱物が含まれている。
政府広報によると、7年前のデータだが、日本全体で年間に廃棄される小型家電は約65・1万トンと推定。その中に含まれる有用な金属などの量は約27・9万トン、金額にして約844億円分にも上るとされている。
だが、使用済み小型家電はこれまで有効に活用されてこなかったのが実情で、約半分が廃棄物として埋め立て処分されていたほか、約2割が違法な回収業者によって不適正処理され、廃棄されずに家庭内に眠っている量もかなりあるという。
こうした背景から、国は「小型家電リサイクル法」を制定。2013年4月1日に施行された。同法では回収方法等は市町村に委ねられている。また、国は15年度中の指針として、国民1人あたり1kgの小型家電の回収をすることを示した。
川崎市では、13年10月から同家電回収を開始。市内拠点や既存の収集システムを活用し回収。今回、さらに宅配便を活用した同家電リサイクル事業を営む「リネットジャパン(株)」(本社/愛知県大府市)と回収の連携協定を県内自治体では初めて締結した。リ社は回収した小型家電の量を市に定期的に報告する。
14年度の川崎市の実績は全体で4261kg。現在可能な対策をすべて講じても今年度の予想回収量の試算は210トンで、147万人の人口で計算すると1人あたり0・15kg程度と、指針とは程遠い。
今回の協定は、現状打開のために「市民の排出方法の選択肢を広げる」という目的がある。宅配回収には料金負担が生じるが、特にリサイクルマークの無いパソコン等は廃棄処分に料金がかかるため市の宅配回収を選択する人もいるはずとし、「リ社は国の認定事業者で信頼ができ、有料になるが依頼すればデータ適正消去等の証明書ももらえる」とメリットを強調する。
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