川崎市にある公営団地を舞台とした映画「桜の樹の下」が4月2日から全国公開される。同団地で暮らす単身高齢者の日常を切り取ったドキュメンタリー映画。多摩区出身の田中圭さんによる初監督作品。田中監督は「単身高齢者が強く逞しく生きる姿を見ていただきたい」と話す。
映画の舞台となるのは市内の公営団地。約350世帯のうち7割が高齢者で、その多くが単身で暮らす。団地には、いわゆる年金暮らしの高齢者も多い。映画「桜の樹の下」ではそんな同団地で暮らす4人の単身高齢者にスポットをあて、孤独を感じながらも団地という小さな生活コミュニティーの中で強く逞しく生きる姿が描かれている。4人はいずれも若い頃に故郷を離れて川崎に移り住み、歳を重ねて単身となった高齢者だ。なぜ団地に入ってきたのか、なぜ1人になったのか、どう自らの死に向き合っていくのかなど、生活を切り取る中で4人の人生が映し出される。
田中監督が同団地を舞台に選んだのは日本映画学校時代の取材実習で出会った同団地の住民がきっかけ。「個性豊かな人が暮らす団地からは生活は楽ではないにも関わらず、旺盛な生のエネルギーを感じた」と語る。
同作では単身高齢者に対する「大変そう、寂しい、辛い」という一般的なイメージを払拭しようと、日常の中での何気ない仲間との会話や交流を通して登場人物が笑って泣いて逞しく過ごす実生活の様子が描かれている。
田中監督は「孤独や死と向き合いながらも強く明るく生きる高齢者がいることを映画を通して伝えられれば」と話している。
なお、同作は2015年山形国際ドキュメンタリー映画祭の日本プログラム正式招待作品。同映画祭でも満席となり評判を呼んだ。公開は4月2日から。ポレポレ東中野ほか全国で順次公開予定。製作はJyaJyaFilms・だいふく、配給はJyaJyaFilms。詳細の問い合わせは【携帯電話】090・7235・1015へ。
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