市は、介護保険給付費上昇の抑制を目的に、要介護度を改善した事業所に市が報奨金等を与える仕組み『かわさき健幸福寿プロジェクト』を7月1日から本実施する。来年6月30日までの1年間を1サイクルとして評価する。
現在の介護保険制度は要介護度に応じて事業者に支払われる介護報酬が設定される。介護度が高いほど報酬は高くなるが、要介護度が改善された場合、評価に反して報酬は減る。これに対し、市は介護サービス利用者の要介護度が改善または維持が図られた場合、事業者に対して独自の報酬であるインセンティブを与える新しい仕組みを検討。事業者の意欲を高めることで利用者の要介護度が改善され、介護保険給付費を抑制する狙いがある。
市は2014年に3カ月間、昨年7カ月間のモデル事業を実施。昨年は100カ所を目標としたが、137事業所が参加し、ADL(日常生活動作)と要介護度の改善を図るためには個々の事業所の取組内容以外にどのような体制づくりが有効なのかを検証。「ケアマネジャーを中心にデイサービス、ホームヘルパーなど関係者全員が同じ方向を向いたチームケアが重要」との意見が多かったという。
市は本実施に際して目標を定め(表参照)、それに基づき評価を下す。インセンティブについては改善が認められた場合は、翌年9月に、報奨金として1事業所につき5万円程度を拠出するほか、評価に応じ、市長表彰や成果を上げたことを示す認証シールの授与、市公式ウェブサイトへの掲載等を行う。
住民の介護予防マネジメントなどを総合的に行う地域包括支援センターの宮前区内のセンター長の1人は概ね内容には好意的だが、「今後介護報酬の減額と報奨金による穴埋めとの状況が事業所にどう影響してくるのか見極めたい」と慎重な姿勢を崩さない。
市は「報奨金の額としては大した額ではないかもしれないが、認証シールやサイト掲載により、事業所の信頼を高めるメリットにつながるはず」と話している。
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