ボクシング、日本フェザー級タイトルマッチに挑む 日野 僚さん 有馬出身 31歳
思い、拳にのせて
○…プロデビュー戦は、開始1分のはじめてもらったパンチでダウン。なんとか判定勝ちしたが、ヘッドギア無し、薄いグローブでの本気のパンチに、「頭がなくなったのでは」と思うほどの衝撃が今も心に残る。タイトルマッチは11月。頂点が拳の届くすぐそこに見えている。
○…4人きょうだいの末っ子。有馬小・中時代は毎日外で元気に遊び、中高ではバスケットボールに打ち込んだ。鷺沼周辺で地元の気の置けない仲間と飲み明かした大学時代。筋肉をつけようと、通学途中にあった川崎新田ジムに入会した。フィットネスのつもりだったが、ボクシングに魅せられプロの道へ。「ボクシングのことで頭がいっぱい。勝って、みんなの喜ぶ顔が見たい」
○…競技を続けながら仕事をしようと、時間が定まっているという理由で、自動車学校の教官に。よく笑う朗らかな性格で「怒らない指導」を心掛けるが、「真剣になると、目つきの鋭さを言われます」と苦笑い。教習所ではプロボクサーと明かしており「みんなが応援してくれている」。試合には、人柄を慕って友人など、多くの人が応援に駆け付ける。コロナ禍で歓声は聞けずとも、存在が支えとなり、その一撃を後押しし、何度でも立ち上がらせてくれた。「応援がなかったら、今まで何度倒れていたことか」。仲間の存在を噛みしめる。
○…14戦中9戦をKO勝ちしている。後半戦でのKOが多いが「体力には自信がないんです」と謙虚な姿勢。とはいえ、大舞台に向け「これから調子を上げていく」ときっぱり。初対戦となる相手だが「出たとこ勝負。今に集中して、やるべきことをやって、自分のスタイルを貫く」。その瞳の奥に、静かな闘志が燃えている。
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4月26日
4月19日