有馬小の空き教室を使った高齢者ふれあいデイサービス「有馬コスモスの家」の施設長 井口 絹代さん 菅生ケ丘在住 70歳
いつだって明るく前向き
○…「デイサービスといっても、介護保険に頼らない元気なお年寄りが集まる施設なんです」と朗らかな表情で語る。川崎市の委託事業として平成13年に開所した。要介護認定で「自立」と認定された高齢者を対象に、平日午前10時30分から午後3時まで、様々な活動を行なっている。「とにかく実践。お年寄りを元気するには自分が元気で前向きにならないと」と笑顔で話す。
〇…施設は多摩、麻生区をのぞく市内5区にあり、区内では唯一。1日500円の利用料で、手作りの昼食と健康体操、手工芸や絵画、書道、踊りなど工夫をこらした講座を日替わりでおこなっている。プログラムや食事メニューを工夫したり、あの手この手で利用者拡大に励んでいる。外出機会が減るお年寄りがひきこもりになって、運動不足や偏った食生活の末、介護が必要になるケースを防ぐのが施設の目的。「大切なのは、利用者がサービスの受け身ではなく主体になること。生きがいや楽しみを見つけることで生活にハリが出て、健康にも気遣うことができる」
〇…川崎市健康福祉局を定年後、介護保険のデイサービスに2年間携わり、2008年から施設長を務める。プログラムに口腔ケアを取り入れたのも誤えん性肺炎で亡くなる人が多い現場での経験から。常に弱い人の目線で考え、「福祉が自分のライフワーク」とキッパリ。小学校の空き教室を使った施設は児童と利用者との交流もねらい。「子どももお年寄りから色々学べる。ぜひ各小学校に設置してほしい」と思いを語る。
〇…私生活では3人の子どもを育てあげた。「おいしい食事は健康の基本」とニコリ。40代でマラソンを始め、50歳でフルマラソン、60歳で100キロマラソンを完走。70歳を越えた現在でも仲間とともに国内はもちろん、海外でのトレッキング(山歩き)も毎年挑戦している。「自分が実践してきた経験をたくさんの人に伝えて、みんなが生涯現役に」
|
|
|
|
|
|
5月3日
4月26日