ボクシング東洋太平洋女子バンタム級チャンピオンに輝いた 三好 喜美佳さん 川崎新田ジム(登戸)所属 29歳
ボクシングで自分を表現
○…最終の8回まで続いた激しい打ち合いを制し、悲願だったベルトを奪取した。先月27日、とどろきアリーナであったボクシング東洋太平洋女子バンタム級タイトル戦で新チャンピオンに輝いた。対戦相手の東郷利代選手とは4度目の対決。これまで2敗1分けと分の悪い強敵だったが、2対1の判定で雪辱を果たした。「やっと勝てた。応援してくれた皆さんにベルトという形で恩返しできて嬉しい」。腫れが残る顔に喜びをにじませた。
〇…ジムの新田渉世会長は「本当に素直でまじめ。これでひと皮むけた」と評する。なにがなんでも勝つという闘争心に課題があったが、この日は違った。「くっつき作戦」と称して、とにかく前へ前へと出て相手との距離を詰めた。強烈なパンチをもらう場面が何度もあったが、闘争心を前面にパンチを出し続けた。「本当はパンチをもらわず、打てるのが理想的」。持ち前のスタミナと最後まで諦めない気力が勝敗を分けた。
〇…厨房機器のメンテナンス会社に勤めるOLとしての顔もある。中学生・高校生の頃はバレーボールに打ち込んでいたが、22歳の時に「カッコいい」とテレビ番組の影響もあってボクシングを始めた。今では仕事帰りにジムに通うのが日課。「リングと会社では別人といわれる」。日頃の生活では「人の輪に入るのが苦手で控えめなタイプ」というが、「ボクシングは自分を表現できる場。人生の色々な場面に生かせる」と厳しい練習にも耐えてきた。
〇…戦績は14戦8勝(3KO)5敗1分。プロデビュー戦で黒星を喫し、2戦目も負けた。負けが先行する時期もあったが、「負けに負けるな」という新田会長の信念でもあるこの言葉が奮い立たせた。「自信があったのに悔しかった」と負けをバネに勝星を重ね、チャンスを掴み取った。次の目標は世界チャンピオン。「多くの人に試合を見てもらいたい。頑張る気持ちを伝えたいから」
|
|
|
|
|
|
5月3日
4月26日