2016年の年頭にあたり、本紙では恒例の新春市長インタビューを行った。福田紀彦市長は少子高齢化や自然災害への備えなど、市民生活を支える施策に力を注ぐと強調するとともに、新年の抱負を語った。
(聞き手 本紙・川崎支社長 原田一樹)
―あけましておめでとうございます。早速ですが、昨年の川崎市を振り返り、2015年はどんな年だったのか、率直な感想をお聞かせください。
「あけましておめでとうございます。昨年、本市の人口は、政令指定都市で7番目となる147万人に達し、さらには、羽田連絡道路の整備が決定しました。また、研究開発機関が市内に次々に立地したことで、その数が8年前の約200から約400となったところです。こうした川崎の持つ『成長力』が増々高まりを見せた1年だったと思います。
また、市民の皆様とのお約束を果たすべく取り組んできた待機児童や中学校給食については、昨年4月に待機児童ゼロを達成するとともに、中学校完全給食の実現に向けては、2017年度中の実施という目途をつけることができました。市民の皆様に一定の成果を示すことができて本当に良かったと思っています。
一方で、市内中学生の死亡事件など、痛ましい事件や事故が重なりましたので、これまで以上に市民の皆様の安全・安心を第一に市政を進めてきたところです」
―そうした点を踏まえて今年1年、どんな施策を重点に置きますか?
「今年は、引き続き、超高齢社会の到来を見据えた、地域包括ケアシステムの構築や、小児医療費助成の拡充、まちの耐震化や防災対策など、市民生活を支える施策にしっかりと取り組んでいきます。
また、川崎駅や小杉駅の周辺など市内における都市基盤の整備を推進するとともに、経済界とも連携しながら中小企業振興の取組を進めていきます。
さらに、東京オリンピック・パラリンピックに向けては、特にパラリンピックに重点をおいて、市民の皆様の意識にアプローチしながら、多様な主体によって新しい社会を共に創る運動や、私たちのまちを誇りに思う、いわゆる『シビックプライド』につなげていきたいと考えています。東京オリ・パラを意識しながらも、2020年のその先を見据えて、子どもや高齢者、障害者を含め、多様性を尊重しながら、皆が混ざり合う社会を目指し、全市を挙げて『かわさきパラムーブメント』を盛り上げていきます」
―昨年末には住みよい川崎にするためのまちづくりプランとして「新たな総合計画」を示しました。市長が目指す川崎の都市の姿について教えてください。
「市民の皆様が幸せに暮らし続けるためには、私たち市民が、多様な生き方や考え方を認め合いながら、寄り添い、支え合い、生きがいを持って日常生活に質的な充足を強く感じることができる『安心のふるさとづくり』を進めていく必要があると考えています。
一方で、こうしたまちづくりを進めるためには、本市が今後も持続的に成長していくことが不可欠です。
そのためには、今後成長が見込まれるライフサイエンスや環境・福祉などの分野での産業振興や、中小の高度なものづくり企業を後押ししながら『力強い産業都市づくり』を進めることも重要です。
こうした『安心のふるさとづくり』と『力強い産業都市づくり』をバランスよく調和させて、誰もが幸せを感じられる川崎を実現して、この素晴らしいまちを、未来を担う子どもたちに引き継いでいきたいと思います」
宮前区らしい街づくりを
―宮前区の今年の重点的な取組についてはいかがでしょう。
「昨年、川崎市は東急電鉄と東急沿線のまちづくりに関する協定を締結しました。宮前区でも今後、東急電鉄と連携・協力しながら、田園都市線沿線の暮らしやコミュニティの発展、魅力向上などに取り組みます。
また、誰もが住み慣れた地域や自らが望む場で安心して暮らし続けられる地域の実現に向け、昨年開催した『地域包括ケアシステム構築に向けた区民シンポジウム』を皮切りに、区民・事業者・行政が一体となり、宮前区らしい地域包括ケアシステムの構築に取り組みます」
―最後に今年の抱負をお聞かせください。
「市長に就任してからこれまでは、川崎が他都市に比べてやや遅れているもの、より頑張らなければならない課題に対して集中的に取り組んできました。
今後も引き続き、急速な少子高齢化や自然災害への備えなど、決して避けることのできない課題に対して取組を進めるとともに、川崎の持つポテンシャルを最大限に生かしながら、さらに上のステージを目指して、社会変革を促す先導的な取組にチャレンジしていきたいと思います。
今後も、『最幸のまち かわさき』を実現していくため、しっかりと仕事をしていきたいと思いますので、市民の皆様のご協力をお願いいたします」
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