川崎市内の消防団員数が依然不足している。今年9月1日現在の団員数は1169人で、定員1345人に対し176人足りない。団員に求められる活動が充分に行えないことに繋がりかねず、市消防局では危機感を募らせる。
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団員不足は、市内8消防団全てで生じている。特に市街地が顕著で、中原消防団が48人の不足。宮前消防団も定員147人に対して120人と、27人不足している。消防団のなり手である個人事業主や自治会・町会加入者などが減少し、不足を生んでいる要因の一つとなっているようだ。
消防団の任務は火災時の出動や訓練、警察や消防と連携し有事における被災者救助、夜回りなどの警備、町内会や学校などでの防災訓練や救急講習指導など多岐に渡る。消防団が不足すると、こうした活動に支障をきたしたり、現団員への負担が増したりする懸念がでてくる。
学生取り込む新たな制度も
市消防局では、団員の減少に歯止めをかけようと、今年3月から、市内に住む大学生や専門学校生らに入団を促す「学生消防団員活動認証制度」を導入。団加入から1年を基本に、その活動実績が認められると、市長から認証証明書が交付される。学生としては就職活動等でアピールできるメリットがあり、消防団としては若い団員確保に繋げられる仕組み。現在は21人の学生が加入する。
入団促進を図る別の取組みとしては、消防団員手帳を提示すれば割引などのサービスが受けられる「消防団応援事業」がある。市内の73店舗が登録し、登録店舗数は昨年から徐々に増えているという。
近年、全国的に自然災害などが増え、消防団の役割は増している。市消防局では、「地域の安全・安心のため消防団は必要不可欠。消防団は消火活動を行うイメージがあり敬遠する人も多いが、自分が住む街のためになるボランティア活動でもある。地域のつながりを感じられるのもメリット。身構えずにぜひ一歩を踏み出してもらえれば」と話している。
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