2017年度の児童虐待相談・通告件数が先月22日に発表され、宮前区は前年度比255件増の578件(前年度比78・9%増)と他区に比べ突出して増加したことが分かった。川崎市全体では3263件(同13・5%増)。市民の通告義務の認識の高まりや関係機関と連携が進んだことが増加の一因だという。
今回発表された児童虐待相談・通告件数は17年度に川崎市内3カ所の児童相談所(児相)と7区役所で受けたもの。前年度に比べ市全体で388件増加した(区役所から児相への相談の重複含む)。
宮前区は前年度比255件増の578件だった。その他は川崎区23件減、幸区58件減、中原区2件増、高津区135件増、多摩区29件増、麻生区36件増。市担当者は「市民の関心が高まり、虐待が疑われる段階での相談が増えていることも件数増の要因では」と話す。
宮前区では専門スタッフが子どもや家庭の悩み相談に対応する「児童家庭支援センター」が16年に開設され「施設も地域に浸透してきた」と市担当者は話す。
また、市は要保護児童対策協議会を06年に設置し、警察や保育園、学校、行政機関など各関係機関と連携。密な情報共有を図ってきた。中部児童相談所担当者は「急増した要因は不明だが、増加を否定的には捉えていない。虐待を埋もれさせず早期に対応する風土が進んできた証では」と話す。
児相に寄せられた経路別件数は「警察等」が市全体で991件(前年度比129件増)と最も多く、種別では心理的虐待が58・8%を占める。心理的虐待には子どもの面前での夫婦喧嘩やDVが含まれる。
近年、警察が通報を受けた夫婦間の争いの仲裁に入り、児相に通告するケースが増加しているという。宮前署では「以前は夫婦喧嘩やしつけの一環で終わらせていた案件も気になることがあれば児相に連絡している。前兆を見逃さないよう意識している」と話す。また、子どもやPTAを対象とした防犯講話の際に、虐待に関する情報を積極的に提供しているという。
市担当者は「乳幼児健診等の際に子育ての不安や悩みをくみ取っていくなどして、関係機関と連携をとりながら予防に努めていく」と話した。
相談は区役所地域みまもり支援センター【電話】044・856・3308へ。
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