児童の地域の居場所、遊びの拠点「野川こども文化センター」(野川3182の1)内にある斜面の土砂流出を受け、工事が検討されている。利用団体からは子どもの遊び場の確保を求める声があり、川崎市は安全性との両立を検討。「要望も聞きながら、できるだけ早く対応していく」と話す。
「野川こども文化センター」は1981年に開設。0歳から18歳までの子どもが通い、現在は月に3000人から4000人の利用がある。センター内にあるプレイパークはボール遊び等も可能で、子どもたちの外遊びの拠点となっている。
以前から、プレイパーク内にある斜面の土砂流出や倒木の危険性が施設側や近隣住民から指摘されており、豪雨の際には南側の擁壁に土砂がかかるなどの被害も見られていた。川崎市は「災害時に危険」として工事が必要と判断した。
これを受け、同施設の利用団体らによって構成されている運営協議会(谷島義雄会長)が市職員を招き、6月に説明会を実施。市は施工案の説明と利用者や近隣住民の要望の聞き取りを行った。
市は斜面の土砂流出を防ぎ、安全を確保する上で必要な工事案を提示。フェンスで斜面への出入りを制限する案もあった。現在は斜面を登り降りして遊ぶ子どもの姿も見られることから、利用団体からは「工事によって子どもたちが自然の中で遊べるスペースがなくなるのでは」との懸念の声が上がった。
一方、近隣住民からは「斜面をそのまま残すのは危険」「災害時の安全性が重要」という声もあり、意見が割れている。同協議会の谷島会長は「安全が第一。その上で子どもたちの遊び場が失われないよう知恵を出し合っていく」と話す。
市青少年こども支援室担当者は「行政が一方的に決めるのではなく、なるべく近隣住民や利用者の声をくみ取って進めていきたい」と話す。予算要望も工事内容が固まってからとし、今後は説明会や意見聴取を重ね、できるだけ早く工事に着手する方針だという。
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