東門前3丁目町内会長として川崎市自治功労者表彰の受賞が決定した 荒金 繁さん 東門前在住 85歳
人情味溢れる「大師っこ」
○…「これまで、人の輪というものを重んじてきました。受賞という形で評価されたことはやはりうれしい」と、感慨深げだ。創立時から知る東門前3丁目町内会の会長に就任して20年。この間、川崎市全町内会連合会理事、川崎区連合町内会理事、大師地区連合町内会副会長などを歴任した。また、大師第4地区社会福祉協議会会長、川崎防犯協会副会長も務め、それらの活動が地域住民の福祉増進と住民自治の振興発展に大きく貢献したとして、受賞に至った。
○…生まれは大師河原、育ちは東門前と、「根っからの大師っこ」。初めて町内会の活動を始めた頃、空襲を受けた東門前周辺は復興真っただ中。町内会館が焼けてしまったため、空襲の被害を受けなかった家に集まり、会合を開いたという。昭和32年には、町内会第1回目の大運動会を開催。仮装行列やムカデ競争に興じる町民の姿が映し出されたセピア色の写真が貼られたアルバムを繰りながら、「当時はたくさんの人が参加して盛り上がりました」と懐古する。
○…仕事は、戦後から続けてきた不動産賃貸業。85歳の現在も現役だ。「不動産業は交渉が肝。仕事で培った交渉術が、町内会長としても役立っていますよ」と頷く。戸建、マンション、商店街の町内会員約570人がいれば、いろいろな問題や課題も生じる。その度に、話し合いを重ねて円満な方向へ導こうと努力してきた。20年会長を続けてこられたのは「皆が協力してくれたから」と、謙虚だ。
○…夫人と2人暮らし。スープの冷めない距離に住む娘夫婦と息子夫婦は、毎日朝晩、出勤前後に顔を出すという。趣味は植木の剪定と鎌倉彫り。自宅の応接には、仏像や牡丹の花の作品が飾られている。最近は多忙のためになかなか彫りを楽しむ機会に恵まれていないが、「何でも話し合える、活気溢れる町内会を」という理想を胸に、会長としての21年目が幕を開ける。
|
|
|
|
|
|
5月3日
4月26日