川崎区・幸区版 掲載号:2018年1月12日号
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1月14日、閻魔大王像を開帳する一行寺住職の 吉水 智栄(ちえい)さん 川崎区本町在住 62歳

地域のために出来る事を

 ○…座右の銘である「和顔愛語(わげんあいご)」の言葉通り、柔らかな顔とやさしい言葉遣いが「お閻魔さま」とは対照的だ。江戸時代に始まった寺所蔵の閻魔大王像、地獄極楽変相図の御開帳が1月14日、行われる。

 ○…今の本堂(1983年建立)を新築する際に、近所に住む当時参議院議員だった斎藤文夫氏から、街の活性化のためにお閻魔さまを復活させたらどうか、とのアイデアが出た。かつてあった閻魔大王像は戦災で一度失っていた。「母、祖母はお閻魔さまを知っていましたが、私はもちろん、婿養子だった先代住職である父も、見たことがなく、当時の賑わいも知らなかった」という。父親と二人三脚で、また地域の人の力を借りながら、閻魔大王像を復活させた。再開当時は人もあまり集まらなかったが、新宿(しんしゅく)青年会の人たちの協力などもあり、今では1000人近くの人が訪れる。

 ○…寺に生まれ育ち、小学生の頃から祖父に寺のしきたりやお経を教えてもらった。高校生になると、お盆などは近所回りをするようになり、地域との関わりも深くなった。しかし「高校時代は色々なところに行けるツアーコンダクターに憧れた」時期もあったという。それでも祖父や父親の姿を見て育ってきたこともあり、生まれ育った地域に貢献しようと寺を継ぐ道を選んだ。

 ○…30歳から始めた少年補導員や保護司といったボランティア活動にも力を入れる。「人は弱いので救いを求めるもの。人の話を聞くことで苦しみは半減させ、喜びは倍増させられる」。やはり保護司だった父親や祖父の影響があったが、地域との横の繋がりが強くなり、色々な人たちと知り合うこともでき、寺の仕事にもつながった。自身の性格を尋ねてみると「ちょっと決断力に欠けるかな」と照れ笑いしながら分析する。ただ、それは人に対する優しさの表れで、閻魔大王のもう一つの顔、地蔵菩薩の顔そのものだ。

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