陸前高田市で石碑を建立寄贈し、現在も支援活動を続ける 阿部 勝さん 川崎区小田在住 68歳
一意専心がモットー
○…川崎区小田で創業90年の(株)阿部石材店を営む。このほど、岩手県陸前高田市の普門寺に東日本大震災で津波被害を受けた身元不明の犠牲者を慰霊する石碑を建立し寄贈した。2月に営まれた法要にも立会い「石屋としてできる使命を果すことができた」と、胸をなでおろす。一方で「がれきの山が所々にある。身元が分からない遺骨が多くあることを改めて実感した。震災は一区切りも、二区切りもついていない」と神妙な面持ちで語る。
○…石碑建立とあわせて被災地の福祉介護施設の慰問にも取り組んでいる。現場で働く介護士、看護師、理学療法士たちが肉体的にも精神的にも追い詰められ、ストレス障害に陥る人も少なくない実情をニュースで知った。「頑張っている職員たちに温かい食事でも食べて元気になってもらいたい」と、自らのポケットマネーと仲間からの寄付金を定期的に陸前高田市にある施設に届けている。
○…生まれは鶴見区。阿部石材店には20歳で入社し、87年に代表取締役に就任した。「一意専心」をモットーに墓石の施工や販売を手がける。また、川崎マリエン広場にある川崎港物故者顕彰碑や若宮八幡宮の玉垣の施工なども請け負った。「明朗闊達、曲がったことが嫌いな人」とは30年来親交のある知人の評価。事業のかたわら、川崎東ライオンズクラブ、川崎市日韓親善協会などで奉仕の心を培った。幼少時代の一時期を岩手県北上市で過ごしたことも被災地支援に力を注ぐ原動力になっているかもしれない。
○…筋骨隆々とした体つき。筋力トレーニングが趣味で週に3日はフィットネスクラブで汗を流す。ホノルルマラソンには18回連続で出場し、昨年暮れの大会では4時間30分台で完走した。スポーツ観戦も趣味で過去にはロンドン五輪やメジャーリーグの試合を観に訪れた経験もある。その時には必ず夫人を伴う愛妻家でもある。
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5月3日
4月26日