川崎市東田商店街商業協同組合の理事長に就任した 小林 誠さん 川崎区新川通在住 51歳
商店の魅力とことん追求
○…「今の商店街はいらないと思っている」。雛人形の顔のように優しい語り口とは裏腹な言葉を発した。今年4月、商店街の理事長になった人の言葉とは思えない。「昔の商店街は精肉店、鮮魚店、青果店、洋品店、雑貨店、飲食店と色々な業態があり、お客さんが自然に集まってきた」。人が集まる新しい商店街を作らなければならないと言う。「人の魅力を感じる店の集合体にしたい。そのために他所でもやってますが、まちゼミにも取り組んでいきたい」と。商店街以外の人からの意見も取り入れるなど、根本からの見直しも図っている。「頼りない理事長のために同世代や若い世代も一生懸命、色々な提案をしてくれます。例えば商店街フードコートとかね」と手応えも感じ始めている。
○…老舗人形店「林屋人形店」の3代目にして人形師。大学卒業後、すぐに家業を継いだ。小売専門店だったが、人形のことをより知るために、販売をしていた人形の作家に弟子入り。一つの作業を極めるだけでは終わらない人形作りの奥深さに魅了された。自身の作品を販売するまでには5年の歳月がかかった。今は雛人形の衣装に川崎市の花「ツツジ」や木「ツバキ」、「銀杏並木」を描いたふるさと雛の普及に力を入れている。「女の子は嫁ぐと地元を離れることが多い。いつまでも故郷川崎を忘れず、大切にしてもらいたいと思っています」。
○…趣味は人形の原型作りのために習った粘土細工。店の入口には本人作の小さな子どもの人形が店内をこっそり覗いている。最近は忙しくて作れないが、15年ほど前は粘土教室を開くほどはまっていた。当時の生徒が今でも店のギャラリーを使って展覧会を開くことがあるという。
○…家族は夫人と子ども3人。「私は部活を途中でやめてしまったんですが、息子は剣道を中・高とやり遂げたんですよ。その一点だけでも、親を超えましたよね」と目を細めた。
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5月3日
4月26日