人生の選択 助け合える人間関係づくりを 西田忠和（アルファ医療福祉専門学校理事長）
シニアライフの質を考える上で見過ごせない「介護・医療」の選択肢。地域の福祉・医療の人材育成に取り組む「アルファ医療福祉専門学校」（森野）の西田忠和理事長が感じる、介護施設での「幸せなシニアライフ」に不可欠なことは？
「理想的な介護とは、トイレや食事の世話などの、いわゆる身体介護のみを指すわけではありません。たとえば、欧米の介護施設では、夕食の時間には利用者がきちんとドレスアップをして集う習慣があります。利用者の尊厳が尊重されているのです。日本にもずいぶん立派な施設が増えましたが、介護福祉施設も、今後はいわばハード面よりソフト面を重視すべき時代になるでしょう。終の住処に求められるのは『安心して過ごせる環境』ですが、それは『助け合える人間関係を育てること』で初めて実現できるものです。トイレに行きたくなったら、ヘルパーさんがすぐ来てくれるかどうか。忙しそうなので心配だということのようです。また、利用者同士で気軽に手助けできる関係ができていれば、どんな場所であれ、日々の生活の満足度・充実度は全く違うものになるでしょう。利用者同士の話題が少ない中で『テレビや新聞を通じて話題を提供するなど、日ごろから利用者同士のコミュニケーションを手助けすることも介護福祉士の仕事だよ』と学生たちにコミュニケーションの大切さを説いています」
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