法政大学陸上競技部 狙うは７年ぶりシード権 連続の「予選次点」から這い上がり、３年ぶり出場
登録メンバー16人とキャプテン・賀上さん（写真後列右端）
全員でめざした箱根路
３年ぶりの箱根駅伝出場となる法政大学陸上競技部。自分たちのため、そして来年のために襷（たすき）をつなぎシード権を目標にする選手たち。ただ出場選手だけでは襷は繋がらない。今年最後の箱根駅伝を縁の下で支えるキャプテンを追った。
「箱根の出場メンバーを外れても、うちの大学では、全員”自分の役割”を全うする。今までも途中で投げ出した先輩はいません」――陸上競技部キャプテン・賀上弘基さん＝経済学部４年・写真下＝は断言する。
賀上さんが１年の時にチームは箱根に出場するも、その後２年間は予選会で次点に泣いた。最終学年の今回は選手ではなく、サポート役でチームを支える。「速い４年生はほかにいる。でも、賀上さんがキャプテンだったから箱根へ行けた。みんなそう思っている」と駅伝主務・原田祥平さん＝スポーツ健康学部３年。
３年次の予選会は故障で出場できず「自分が走っていたら」との思いが込み上げた。予選後、「生活などレース以外の面でまとめ役を」とキャプテンに指名された。みんなで「底辺」から這い上がるため、良いと思えば何でもやり、学年を越えた意思疎通を図ることで、仲間意識を育むことに心を砕いた。特に１年生と話す時は「ここに失敗例がいる」と自らを引き合いに出した。「『４年あれば何とかなるだろう』という”子どもの考え”が、故障しやすさに繋がった。自分のような選手を出したくない」。「出られない選手を引っ張ることが大切。夏合宿でも皆を引っ張ってくれた」と成田道彦監督。
走る楽しさ次世代へ襷
〜駅伝の後は
「これは、治らないでしょうね。ずっと付き合っていかないといけない」。地元兵庫県の強豪校・須磨学園高でインターハイに出場し、故障知らずだった高校時代とは一転、大学の陸上生活は、故障との闘いでもあった。現在も、腰痛を抱える。今年の春に発症し、競技会出場も断念。調整を続けたが、秋に悪化し、箱根への登録メンバーを外れた。「１度も箱根を走れなかったことは、一生後悔し続けると思う」
２年次から、陸上部がかかわるスポーツ教室「法政クラブ」で月に２回、小学生たちに陸上の基礎を教えている。子どもが好きだし、自身も走る楽しさに目覚めたのは小学生時代に出会った陸上教室だった。「技術より、陸上を好きになってほしい。そして、走り続けてほしい」。子どもたちと、陸上以外の話も積極的にする。「楽しくない練習には、実に率直な反応が返ってきます」と笑う。「経験上なかったことを教わる機会。教員を目指す者としてはありがたいです」。今年度は社会科の教員免許を取得。箱根を目指す傍ら、教育実習を経験し、学校を出るのが夜中１時を回ったことも。だが、「本当に教えるなら、やっぱり体育」と４月からは、もう１年勉強する。
現在もトレーニングを続けている。陸上生活13年。「このまま終わっては、陸上教室の先生や中学・高校・大学の監督に失礼。恩返しのつもりで結果を残したい」。今後も記録会には参加し続けるという。
「１区のダッシュで流れを」
今年のエースは、１万ｍで28分39秒04の記録を持つ、予選会18位の西池和人選手＝スポーツ健康学部２年。前回、学連選抜で10区を任された篠原義裕選手＝現代福祉学部４年＝もメンバー入りしている。
目標は「往路でシード圏内に入ること。そこで遅れるとどうしようもない」と賀上さん。成田監督も「まず１区で５〜10位に入ってくれれば」とスタートダッシュに期待をかける。「トラックで（１万ｍの記録が）30分の選手が28分の選手に勝つこともあるのが駅伝」と成田監督。最後まで、目が離せない。
|
|
町田版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
|
|
