「克服力を思いやりに」 式町水晶さん復興へ寄付
東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県陸前高田市の戸羽太市長が7日、町田を訪れ、同市の復興のために寄付した式町水晶(しきまちみずき)さん=高校3年生=と初対面した。式町さんは脳性まひを患いながらもバイオリン演奏を続け、公演活動など行っている。
戸羽市長はこの日、相模原市での講演を前に急きょ町田に立ち寄った。戸羽市長の同級生などが組織し町田で復興支援を行っている「(一社)鶴の羽の会」が仲介し、今回の初対面となった。
式町さんは3歳のときに脳性まひが発症し、リハビリのため4歳からバイオリンを始めた。現在も両手や両足、背中にまひが進行するも老人ホームや保育園などでのボランティア演奏や、各地で公演など行っている。
東日本大震災以後、式町さんは被災地を回り演奏活動をしたり、復興支援のためのチャリティコンサートなど精力的に行ってきた。今回は自ら作曲したCDの売上やチャリティコンサートの収益などを寄付として戸羽市長に手渡した。戸羽市長は「自ら障がいを克服しようと頑張っている姿は、私たちにとって大きな励みとなる。本当にありがとう」と感謝の意をつたえた。
式町さんは戸羽市長の前で童謡の「浜辺の歌」を演奏。「とっても緊張した。これからも復興支援のために何かできれば」と式町さん。6月28日(土)にはJR町田駅ターミナル口そばミーナ横のターミナルプラザ広場でチャリティイベントコンサートを開催(午後1時〜3時)。当日直接会場へ。
情報の選択地域の活動
戸羽市長は同日、「3・11復興、わが町の今そして明日」と題して相模原市で講演を行った。震災当時の話のほかに、現在進められている高台移転への計画や、今後のまちづくりについて話した。そして「情報とは何か」について熱く語った。「震災前、私たちには多くの情報があった。しかしそれは津波が発生しても50cmほどという実際とは大きくかけ離れたものだった。マスコミやインターネットに飛び交う情報を疑うというのではなく、自分たちでできることを考え、実践することのほうが現実的だ」と訴えた。
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