身近な人を自死で亡くした人の集い、新月(しんげつ)の会(守下高子代表)は2カ月に一度、偶数月の第1日曜日にわくわくプラザ町田で「わかちあいの会まちだ〜ゆっくりカフェ」を開いている。
守下さんは9年前、25歳の息子を自宅の浴室で亡くした。自死だった。その姿を発見した守下さんは今でも湯舟につかることができないという。「フラッシュバックしてしまって」
突然のことで悲しい気持ちより、戸惑いや怒り、くやしさの方が強かった。葬儀後、「自分の体験は特別なのでは」「話すことで、かえって気を遣わせないだろうか」「泣けない私は普通ではないのか」―。さまざまな葛藤があった。そんな時、相模原市で自死遺族の会があることを知り、参加した。話すことで気持ちが楽になる。
自宅から遠かったのと、小田急沿線の人も参加しやすいだろうと、町田での開催を考えた。そして2018年12月に、鶴川駅に近いコミュニケーションレストラン「リレイス」にて、わかちあいの会「まちだ」をスタートさせた。同じ境遇の4人のスタッフが参加者の想いを聞き、自らの経験談を話している。「その回によって参加人数は違いますが、スタッフ含め想いをわかちあうことで気持ちを楽にしてもらえればと思います」
新型コロナの影響も
4月に予定していた会はコロナ禍で中止となった。「こんなに長い期間家の中にいたことはない。家にいることでフラッシュバックしてしまうような、同じ想いの人は多いはず」。新月の会が所属するNPO法人グリーフサポートリンク(全国自死遺族総合支援センター)では、FAX(【FAX】03・6908・3795)とメール(【メール】wakachiai@izoku-center.or.jp)による自死遺族のわかちあいと相談を始め、守下さんや同法人スタッフが返信して、その想いに応えている。
「自分はこう乗り越えた、とは言いません。実際乗り越えているわけではないですし。ただ自分だけではないと思ってもらえれば」と守下さん。一日一日を穏やかに過ごしてほしいとの想いで、敢えてにこやかに自分の境遇を話す。「すると『私も笑っていいんだと思った』という反応がありました」
わくわくプラザ町田での開催は8月2日(日)を予定(6月は中止)。参加費100円。予約不要で匿名での参加も可能。問合せは守下さん【携帯電話】090・4954・6530へ。
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