「若い人に、興味を持ってもらいたい。技術や伝統を伝えていけたら」。茶道具の一つひとつを包み込み、組み紐で結ぶ「仕覆(しふく)」(写真上中央3つ)。その仕覆を手縫いでつくる茶器袋物師として活動しているのは、金井ヶ丘に暮らす梅木和江さん=人物風土記で掲載=だ。
主に茶道とともに続く伝統の仕覆。近年では、マイセンなどの高価な器やお気に入りの古美術品などを包むために、依頼されることもあるという。「皆さん、自分の大切なもの専用の袋なので思い入れが強い。それに応えるためにも、一針ひとはりゆるがせ(おろそか)にしないと心掛けています」と梅木さん。
梅木さんは江戸時代から一子相伝で伝わった作り方を受け継いでいる。布を選び、型紙をつくり、薄く綿を入れ縫い合わせる。組み紐も、手作業で糸をより合わせ1本に編むのだ。梅木さんは「器を入れて閉じたときにタイトスカートのようにきついのはNG。紐を結んで閉じたときに、紙1枚が入るくらいのゆとりがあるのがいい袋」と話す。
包む物の形にピタリと合う仕上がり線を出すため、52歳から修業を重ねてきた。今では師として弟子もいる人気作家だ。依頼品は納品してしまうため、手元には残らない。梅木さんはこれまで作った925の型紙と布端を手元に残している。「生涯で、1000個は作りたいですね」
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