八王子のご当地グルメ「八王子ナポリタン」を広める市内の有志団体「八王子ナポリタン倶楽部」(中野太郎会長)が今年で設立10周年を迎えた。4代目会長の中野さんは、「コロナ禍で存続の危機もあったが、初開催した野外イベントに人が集まるなど名前が浸透してきているのを感じる」と手応えをのぞかせた。
刻み玉ねぎを乗せる、八王子産の食材を使う、八王子に由来すること--。同倶楽部が八王子ナポリタンとして認証する条件として掲げているのがこの3カ条だ。
2014年に町おこしのひとつとして、すでにあった「八王子ラーメン」を”リスペクト”した形で発案された八王子ナポリタン。八王子ラーメンの象徴でもある「刻み玉ねぎ」を乗せた見た目が特徴で、市内の小中学校給食でも提供されている。大学等が多い八王子の地域性から、「若者に安価でお腹いっぱい食べてほしい」という思いも込められている。
「はちナポ」提供店の店主らで構成されている同倶楽部。公式ウェブサイトでは現在、八王子市内など、18店舗の提供店を紹介している。「各店舗の個性が出るよう認証条件を少なくした」(中野会長)と言うように、王道のスパゲティタイプもあれば、はちナポをトッピングしたクレープやオムライス風などもある。
レトルト開発も
一方、20年からコロナ禍となり、活動休止の危機に見舞われた同倶楽部。「とにかく倶楽部がなくならないよう」耐え凌ぎ、5類に移行した昨年を再始動の年と位置付け、かねてから倶楽部の目標であったナポリタンソースのレトルト開発に着手した。昨秋にはクラウドファンディングでその資金目標30万円の調達にも成功し、独自のはちナポソースを製造。スーパーなどでの流通化を検討中で、資金支援者などには返礼品としてレトルト商品を贈った。
そして、今年の3月20日には、 設立10周年を記念した倶楽部初の野外イベントを八王子市内の公園で開催。はちナポ認証店やはちナポキッチンカーが来場者たちに自慢の一品を振舞った。中野会長は「早々に売り切れる店が出てはちナポの認知度が上がってきているのを実感することになった。これからも10周年の記念イベントが開催できるよう体制を整えたい」と展望を語っている。
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