「何で!」――。昨年10月、体操世界選手権に代表として初選出されたが、現地イギリス・グラスゴーで日本女子代表の塚原千恵子監督から控えに回るよう言い渡された。左足かかとを痛めていた。
「自分の判断が甘かった」。何とか大丈夫ではないかと思っていた。しかし監督の判断は違っていた。「すごいショックだったし、絶対に出たかった」と振り返る。しかし、ケガはかかとだけではなかった。大腰筋の肉離れも帰国後に発覚した。「ケガのために中途半端な結果を残すより、リオデジャネイロ五輪で結果を出そう」と自らに言い聞かせた。
基礎づくり
町田市在住。南中学校出身で現在は帝京高校3年生。国内トップレベルの選手たちが使用するナショナルトレーニングセンターでほぼ毎日練習を行っている。「12月までは基礎を固める。そして新しい年になってから、技のアップや完成度を上げる練習をする予定。今はケガも良くなり、肉体改造中です」と笑う。練習はコーチである内山玲子さんと二人三脚で行う。
世界で勝つため
世界体操で世界のトップレベルの選手たちを間近で見て、「筋肉の付き方が違う」と感じた。「世界トップの選手たちと同じトレーニングをしても同じ体型にはならない。より多くトレーニングしなくては」。基礎練習では、体幹や筋力を鍛えるメニューが続く。「腹筋なんかパッツンパッツンになりますよ。毎日筋肉痛です」。4時間から4時間半ほどのトレーニングが週6日間。休息は1日だけ。「辛いことを面白くしようと心がけています。『苦しい』って思っても、ずっと苦しいだけだから」
この2カ月間で、肩や腕、下半身に筋肉が付いたことがわかるほど鍛え上げた。「ケガの防止もあるけど、外国のトップレベルの人たちと戦うには、筋力を付けなければ。この基礎練習で得た筋力を実践で生かしたい。そして日本人らしい『美しさ』を表現できれば」
4月から代表選考
2015年を振り返ると、「14年は、ケガのためにリハビリを繰り返していた。15年こそはと思い、頑張ってきて世界選手権の代表に選ばれたけど出場できなかった。悔しい1年になってしまった。でもいろいろなことを学んだ1年だった」と話し、「この悔しかった分、16年は倍ぐらい良い年にしたい。リオデジャネイロ五輪に出場して、メダルを持って帰りたい」と抱負を語る。五輪出場権を賭けた大会は4月から始まる。
今年3月に高校を卒業する。「今の楽しみは、『ワンピース』や『ナルト』のアニメを観ることかな」。高校3年生らしい笑顔で話していた。
町田版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|