今年もこの時季がやってきた―。毎年9月下旬から11月下旬の約2カ月、南大谷小学校(関雅人校長)の校内の一部は独特な「秋の香り」に包まれる。
”学校の厄介者”として厭われていたギンナンの実。南大谷小では8年前より校庭と、学校脇にあるイチョウから落ちたギンナンの清掃を兼ねたキャリア教育の一環として「銀杏(ギンナン)プロジェクト」に取り組んでいる。全校児童と、その保護者や地域の人たちからなるボランティア隊が協力し、ギンナン拾いを実施。拾ったギンナンの実を取り出し、洗って干して商品化する。
「用務主事さんが乾燥台を作ってくれたり、年を追うごとに作業もシステマティックになっています」と話すのは同小ボランティアコーディネーターの太田まゆみさん。以前は我が子のいる時間しか参加しなかった保護者が、活動しやすいスケジュールシステムを構築し、一昨年48人(延べ212人)だったボランティア隊は昨年91人(延べ305人)に倍増した。「一人ひとりの負担が大きくなっていたので、良かったです。自分の子どもが卒業した後も来てくれる人が増えて、仲間づくりを楽しみながら手伝ってくれています」と太田さん。
きれいにしたギンナンは6年生が選別、計量、袋詰めをし、学校行事の際に販売する。「セールストークやポップ作りなども自分たちで考えて。とても良い勉強になっています」。地域の人たちからも評判がよく、100g100円で、昨年は17万5500円を売り上げた。売上金の一部で、6年生が卒業式で胸に着ける花を購入し、残りはアジア教育友好協会への寄付を通じて、ラオスやカンボジアでの学校建設に役立てられている。
殻に傷があったり、小さすぎるような商品化できないものは、給食の炊き込みご飯に入れられ、児童たちが口にする。「一粒ずつですが、自分たちで採った味は格別みたいです」
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