ウクライナ国旗色のミサンガを見せるデニスさん
町田イタリア歌劇団が８月30日（火）、ウクライナ支援コンサートを行う。ウクライナ人のバス歌手デニス・ビシュニャさんを迎えてのチャリティー公演。入場料の２０００円は、全てデニスさんの家族へと送られる。
デニスさんはウクライナの都市カーミヤンシケ出身。キーウ国立音楽院声楽科を卒業し、キーウ市立歌劇場でソリストとしてデビュー。29歳で日本人のソプラノ歌手と結婚し、日本でも精力的に活動している。その実力から、常に大舞台で活躍するオペラ歌手だ。
デニスさんは両親と姉の４人家族。現在は母と姉、姪が日本に避難している。ロシアによるウクライナ侵攻が始まった直後の今年３月、姉と姪は電車を乗り継ぎ、ポーランドへ。首都のワルシャワ大使館でビザを取り日本へやってきた。その後も続く攻撃。実家近くにもミサイルが落ちる。姉家族が避難した３週間後、母も国外への避難を決意。高齢の母を案じたデニスさんは日本からワルシャワまで迎えに行った。父は「家を守らなければ」と国内に今もとどまる。テレビ電話で何度も避難を促しても「（戦争に）勝利した後に行くよ」と応じるという。
デニスさんは「コロナ下でも日本はウクライナ人の入国を認めてくれた。大使館を通じたたくさんの支援に心から感謝している。公演では、ありがとうの想いを伝えたい。ウクライナの音楽や文化を友達の日本に感じてもらえれば」と話す。
本公演の出演はデニスさんのほか、ソプラノ森澤かおりさん、宮川典子さん、テノールに堀越俊成さん、バリトンに井上雅人さん。午後２時開演（１時30分開場）。会場は町田市民フォーラム３階ホール。予約・問い合わせは町田イタリア歌劇団の柴田さん【携帯電話】０９０・１７３４・８１１６へ。
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