▽今日3月23日に、大和市議会の3月定例会が閉会する。本来であれば4月からの新年度に向けて、市民のために行政が取り組むことになる数々の事業を紹介したいのだが、この3月定例会を取材した限り、おいそれとはいかない。
▽定例会の焦点は、大和駅東側の再開発事業と老朽化した生涯学習センターの建替え移転を融合させる、いわゆる第4地区事業に関する議論だった。常任委員会や特別委員会、本会議の一般質問では、計画の進め方に疑問をもつ複数の保守系議員から「もっと情報提供を」「急ぎ過ぎではないか」「市民の声を十分に聴いていない」との指摘が相次いだ。これらの声は、二元代表制に対する市長の認識や議会軽視を指摘する声へと増幅していった。
▽公の場で再三にわたる指摘を受けた市長は「段階を経て丁寧に進めてきた」「何度となく説明した」「最善の判断だと確信している」との主張を繰り返すばかりで、議員の声に耳を傾ける素振りが感じられない。さらには議員や傍聴者の面前で堂々と不快感をあらわにする部長や、議員を名指しして「あなたの意見はいつも個人的な意見だ」などと非礼な答弁をする幹部さえいた。
▽そんな対応にもひるまずに疑問を投げかける議員の多くは当選1回目。いわば市民に最も近い声が議会には届いている。「市民の声がマニフェスト」。そう公言して5年前に市長に就いた大木市長であればこそ、事業の進め方を危惧する議員の声には、誠実に耳を傾けて頂きたい。
▽3月定例会で大木市長が答弁した通り「予算を編成しそれを執行することは市長の専管事項」だ。市長はほかにも人事権など絶大な権力がある。議案審議や条例制定、政策提言などの権能を通じて、行き過ぎた行政運営にブレーキを掛けるのが議会だ。異なる役割を持つ市長と議員を私たち住民が選び、代表してもらうのが二元代表制ではないだろうか。大木市長は2012年度の施政方針で「選挙で選ばれた市長が進める政策はより多くの民意を表している」と述べた。確かにその通りではあるが、それは単なるおごり、一方通行な物の見方ではないだろうか。
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