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大和版 公開:2020年1月1日 エリアトップへ

渋滞ワーストの返上へ 2020年大和トンネル4車線運用開始

経済

公開:2020年1月1日

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片側4車線となり、東京オリンピック前に運用が開始される大和トンネル
片側4車線となり、東京オリンピック前に運用が開始される大和トンネル

 2016年8月に着工した東名高速道路「大和トンネル」の拡幅工事が、今年7月の東京オリンピック開幕を前に運用を開始する。片側3車線から4車線に拡がることで、慢性的な渋滞の解消に期待がかかる。

国内有数の「渋滞名所」

 東名高速道路は1969(昭和44)年に東京から愛知・小牧間が全線開通、昨年ちょうど50周年を迎えた。大和トンネルは67年11月に竣工。東京〜厚木間は翌68年に開通した。

 大和トンネルを含む横浜町田インターチェンジ(IC)から海老名ジャンクション(JCT)の区間は、1日平均13万台と国内有数の交通量に加え、上り坂による速度低下などの影響で、渋滞が慢性化している。2017年度の東名高速道路(神奈川県・静岡県区間)のIC区間別の渋滞損失時間は上りワースト1、下りワースト3となっている。

 区間内の交通事故発生数は突出して多く、その6割が渋滞内で発生しており、付加車線を増設し、交通容量の拡大を図ることを目的に、2016(平成28)年8月、片側3車線から片側4車線に拡幅される工事が始まった。

車線供用止めず4つの工法採用

 工事は大和トンネルを中心にした上下線ともに約4Km。高速道路利用者の負担がないよう、3車線の供用を止めることなく拡幅工事は進められている。

 工事を請け負っているのは西松建設株式会社関東土木支社。工事は谷川潤所長のもと、「安全第一」で工事を進めている。

 工事区間の拡幅は、大和トンネルの他、名古屋側の区間は山を切り開き(切土部)、東京側の区間は一般道を跨ぐ高架橋(橋梁部)や土を盛って造成された(盛土部)があり、それぞれの構造にあった4つの工法が採用されている。

 大和トンネルの拡幅は、トンネルの上部を覆う土を掘削し、土で隠れているトンネルの横壁を掘り起こし、露出したトンネルの外側をさらに掘削。崩落を防ぐための山留めを設置した後、新たな車線の車道、壁、トンネルの天井を構築。既存のトンネルを支柱で支えながら、新しい車線を接続していく。既存の側壁を撤去したら、トンネルを再び覆い完成となる。

 側壁の解体・撤去は、ワイヤーソーを使い、切断していく。通常はワイヤーの滑りを良くし、摩耗を防ぐため、刃に水をかけながら切断していくが、汚れた水が走行車両にかかるのを防ぐため、水を使わず、切断と同時に吸引機で粉塵を回収。1ピース4トンのコンクリート塊を1日4ピース、約4か月かけて解体を完了させた。

 トンネルの拡幅は昨年12月の時点ですでに終了。現在は中央の柱の補修工事が行われている。

 トンネルから名古屋側は、山を切り開いて作られている(切土部)ため、外側の斜面を掘削、斜面を補強しながら、壁面パネルを設置していく。壁面を埋め戻し、路面を敷き完成となる。

 東京側の橋梁部は、橋の外側を広い幅に作り替えて車線を追加するため、まず橋の強度を増すために、地面に杭を打ち、橋脚を追加。橋の外側に突き出した部分を切断、撤去。そこに車線を追加した幅広の道路面を取り付ける。

 土を盛って造成した箇所(盛土部)では、既存の遮音壁を撤去し、外側斜面を掘削、盛土をして、地面をならした後、遮音壁の支柱を立て、内側を埋め戻し、車線を構築。遮音板を取り付け、完成となる。

 大和トンネルの工事は、限られたスペースで、車線を止めずに工事をするため様々な制限があった。中でも、厚木基地が近く、トンネルが滑走路上にあることから、高さ制限があり、クレーンも10m以上の高さで使用することができなかった。一方で、トンネル上部を工事車両や資材置き場などに有効活用するなどの工夫をしながら工事は進められた。

 なお大和トンネルの工事の概要は、西松建設株式会社のホームページから動画で見ることができる。

〈取材協力〉中日本高速道路株式会社東京支社厚木工事事務所、西松建設株式会社関東土木支社大和トンネル出張所

トンネルの側壁撤去の様子
トンネルの側壁撤去の様子
現在はトンネル中央の柱の補強工事が進められている
現在はトンネル中央の柱の補強工事が進められている
トンネル内部の様子。色の違いで、既存のトンネル部と拡幅されたトンネル部がわかる
トンネル内部の様子。色の違いで、既存のトンネル部と拡幅されたトンネル部がわかる
トンネルの壁を拡げる工事の際、見つかった竣工時の銘鈑。「竣工1967年11月」と記されている
トンネルの壁を拡げる工事の際、見つかった竣工時の銘鈑。「竣工1967年11月」と記されている
トンネル上部から名古屋方面を望む
トンネル上部から名古屋方面を望む

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