弁当百円、ピザ5百円
新型コロナウイルス感染拡大防止による学校の一斉休校を受け、市内では「少しでも家族の負担を減らせれば」という動きが出てきた。
小田急線桜ヶ丘駅近くの「カフェダイニングアフェット(安江秀人店長/【電話】046・269・1180)」は政府の発表を受け、2日から、高校生までの子どもを対象に平日限定で50食、弁当を100円で提供することを決めた。
「一斉休校の判断は素晴らしいと思ったが、困惑している保護者がいることを知り、自分たちにできることはないか」と考え、弁当のテイクアウトを思いつく。小・中学生2人の子を持つ女性スタッフに「当事者としてどう思う」か打診。「マママ友」にも拡散してもらった。反応は好意的なものが多く、実施を決定した。
年中無休の同店は、通常営業をしながらの弁当用意。本業に影響が出ないよう、メニューは唐揚げ弁当1種類のみ。それでも前日の仕込みは日付が変わる頃までかかり、翌朝も普段より3時間早く来て準備に取り掛かった。イタリアンレストランで通常米の用意がない中、スタッフが自宅で朝炊いた米を持ち寄り、38合分のご飯を用意した。
SNSで告知をすると、多くの人が拡散。受け取りの時間や個数を事前に知らせる予約が入ったほか、販売前日には「応援します」とランチを食べに訪れた人もいたという。初日は40食が、2日目は予約だけで50食を超えた。「普段家にいるお母さんの中には、昼食をとっていない人もいるのでは」と大人も500円で購入可能とした。
鶴間駅近くのイタリアンレストラン「アンキーオ(橋口英寿店長/【電話】046・244・6700)」も、月曜から木曜の営業時間内に皿持参で、通常1枚1200円するピザを500円で販売している。「こういう時こそ、飲食店が街のためにできることがあるのでは」と考え、分けやすく保存しやすいピザの提供を思い立ったという。外食も憚られる雰囲気の中で、「飲食店は安心安全なこともPRできれば」と橋口店長は話す。
両店とも、転売やいたずらの注文などマイナス面は「考えても仕方がない」と考慮しなかった。一方で「スタッフや常連さんが背中を押してくれた」ことに感謝した。両店とも3月いっぱい活動を続ける予定。
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応援活動は飲食店ばかりではない。
愛川町在住で冒険家の荻田泰永さんは、昨年10月に桜ヶ丘駅東口に開所した「冒険研究所(【電話】046・269・2370)」を、子どもたちの遊び場として無料で開放している。
「何かできることはないかと思い、預け先に困った人の助けになれば」と自身のホームページにアップ。「学童保育に預けたくても『急には無理』と断られ、投稿を見て『お願いできますか?』とお子さんを預けにきた看護士さんもいました」という。
「冒険研究所」は、広さ約100平方メートル。20年に渡り北極や南極など極寒の地に挑戦する荻田さんの装備品を収納したり、他の冒険家が遠征に行く前に準備をする場所。無料開放は基本、平日午前9時から午後5時。期間中、荻田さんもしくは関係者が毎日在所する。
荻田さんは、日本人初の南極点無補給単独徒歩に成功。北極点無補給単独徒歩にも挑戦している。今春も北極へ向かう予定だったが、今回の事態を受け、取りやめた。無料開放は「必要無くなるまで続ける」という。
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