リサイクルへの関心が高まるなか、回収された資源の「その後」に目を向けたことはあるだろうか。市内中央林間西の「おうちCO-OPリサイクルセンター」では、障害者が「ワンチーム」となって質の高い分別作業を行っている。
同センターは2017年に開所した、生活協同組合ユーコープ自前のリサイクル施設。神奈川、静岡、山梨の3県の宅配利用者から回収されたカタログやビニール袋などの分別や圧縮作業を行っている。圧縮物は業者に買い取られ、様々なリサイクル製品に生まれ変わっている。
分別に携わっているのは、社会福祉法人「同愛会」(横浜市)の知的障害を持つ利用者。同センターはリサイクルと障害者雇用を同時に実現した事業所で、18年には法人利用者の20代から60代まで9人がパート職員になり、平日午前8時30分から4時頃まで勤務する。
手作業で1日45t
業務の中心となるカタログの分別では、色紙や異物を手作業で取り除きながらベルトコンベアに乗せていく。紙質を均一にすると価値を高めることができるため、リサイクルの好循環を維持するために大事な作業だ。
「手作業でのコンベアへの投下は全国でも珍しい」と佐野浩二センター長は話す。機械では分別困難な接着糊など水溶性の異物も除けるため、持続可能な取引を実現。職員は未経験のため作業効率が課題だったものの、一日当たりの作業量は開所当初の10tから現在は45tを捌けるまでになった。目にもとまらぬ速さで、目視と感触を頼りに異物を弾く様は、まさに「カミ」業だ。
「驚くほど床がきれい」
効率の良い作業を可能にしたのは、チーム力。佐野センター長は体調や業務量を考え、毎朝チーム分けをし目標を設定。進捗を共有し、声をかけ合って作業することでスピードを維持している。また清掃も目標の一つになっているため、見学者からは「分別所とは思えないほど床がきれい」と驚かれるという。
佐野センター長は「9人の間には特別な結びつきがあると感じており、助け合って働いている。ここぞの集中力は圧巻。優秀なワンチームです」と誇らしげに話した。
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