9月16日(日)に初の石彫アート教室を行う「あつぎ素敵美術館をつくる会」の代表 肱元(ひじもと)伸さん 彫刻家 43歳
「石を彫るのはスポーツ」
○…野外彫刻造形展の運営委員6人で構成される市民活動団体「あつぎ素敵美術館をつくる会」を5月17日に立ち上げた。「石は素直。奥が深く、触っていると楽しい。形にしたいことを立体表現できるのがいい」と魅力を語る。9月16日(日)に初の石彫アート教室を睦合西公民館で行う。「たとえば、犬を彫っているうちにカエルになり最終的に魚になった。正解はなくそれでいい」。目の前の石と格闘することが大切だという。石彫りは「固定観念や偏見を壊していく」作業だとも。
○…玉川大学時代の恩師にあたる厚木在住の石彫家・高橋正晴さんから、安曇野出身の彫刻家・高嶋文彦さんを紹介してもらったことが転機になった。1994年に師事し、アシスタントについた。2004年に高嶋さんが亡くなり、アルバイトで通っていた七沢彫刻工房を引き継いだ。「とにかく手を動かして。雑用がうんと大事。近道はない」と続けることの大切さを学んだ。「石を彫るのはスポーツ。天職だと感じた」と話す。
○…横須賀市生まれ。三人兄弟の末っ子として育つ。自衛官の父からは厳しくしつけられたが、日曜は毎週のように山と川で過ごした。工作好きでテレビ番組『できるかな』のノッポさんを真似し、時間を忘れるくらい没頭。「おもちゃの代わりに万力などの道具は買ってくれたよ」と笑顔を見せる。ラグビー、卓球部と体育会系出身だが、大学は文芸部に。「運動も読書も大好き」。厚木に来てからは短編小説を2本書いたという。椋鳩十と江戸川乱歩の作品をこよなく愛する。
○…「人に教えるのは苦手」だと照れるが、石彫りの楽しさを伝えることに今は全力投球。夢中になっている姿に「してやったり。工夫してモノを作る体験は、きっと何かに結実する」と話す。12月に行われる、あつぎ市民芸術文化祭第九の合唱にも参加する。工房で第九を歌いながら石を彫るのが最近の楽しみだそうだ。愛川町在住。
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