森の里で毎月最終土・日曜に自身のアトリエを開放している 池依 依依さん 画家 50歳
信念は「あきらめない」
○…名前は「いけい・いい」と読む。「長年の仲間」だという市内森の里にある物流会社アスカ・コーポレーションの支援を受け、地域のためにと同社内のアトリエを昨年9月から一般開放している。「散歩途中のおじいちゃんが来てコーヒーを一緒に飲んだり、自分の絵を持ってくる人もいます」。赤と金の配色が印象的なアトリエ内には、馬をモチーフにした様々な絵が並ぶ。まるで幻想的な絵の世界の中に入り込んだようだ。
○…台湾出身。設計士だった父の作る図面を見て、絵を描くことに興味を持った。同様に興味をひかれていたのは馬。「学校の休み時間、雲がペガサスに見えて。ずっと教室に戻らずに後でバケツを持って廊下に立たされた」。至る所に落書きし叱られてばかりだったが、唯一認めてくれたのは美術の先生だった。来日後、版画家の故・池田満寿夫氏に師事し、日光東照宮の世界遺産50周年記念の流鏑馬画などを手掛けた。日本、台湾はもとより世界で活躍する画家のひとりだ。
○…日本や台湾の震災に際し、作品のリトグラフを販売した収益を寄付。南三陸町に建設中の福祉施設には、彼女の絵を模したパネルが置かれる。「日本と台湾は”愛の絆”で結ばれている」と語る。東日本大震災では、台湾からの義援金が世界一だった。来月には支援に感謝するイベントにも招待されている。
○…病により右腕を手術し、一時は筆も持てなかった。「何千回、何万回も練習した。涙したこともあったけど『絶対よくなる。あきらめない』と思って努力した」。想像を超えるリハビリの末、海外の美術展で金賞を受賞するまでになった。「悔し涙は短く、感動の涙は長くね」。
○…いわく「馬が恋人」。趣味は乗馬。JRA主催の個展も開催。名馬・ディープインパクトの引退式では、パドックで雄姿を眺めた。「ディープのお尻は女性のヌードそっくり!」その眼は馬の瞳よりも輝いていた。
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