9月8日に初ライブを行った「爺ぃじいバンド」のバンドマスター 馬場 徹さん 吾妻町在住 68歳
「情熱しかないんです、私は」
○…県央地域に住む音楽好き、平均年齢70歳代の「爺ぃじいバンド」デルプラードを結成して早2年。初舞台となった半原神社の秋季例大祭はあいにくの雨。それでも16人の爺と妙齢のご婦人たちは、耳なじみのある昭和歌謡を気持ちよさげに演奏し、会場を盛り上げた。バンドマスターとして自身はドラムを担当。「反省会でも、みんな初めてだったけど、まぁこんなもんかなっていう話をしました」と振り返る。
○…自称「見てびっくり、聞いてがっかりのビックリバンド」。知人のミュージシャンからは「よくやるな」と揶揄され、メンバーからも「我々が人前で演奏するのはまだ早いよ」と言われる。それを説得してステージに立ったのは「メンバーが家族や孫に自慢できる姿を見せてあげたい」から。演奏も各パートが目立つよう、各自の見せ場を楽譜に盛り込んだ。音楽経験者がいると聞けば、西へ東へ奔走。音楽への想いを共有できる仲間を自力で集めた。
○…生まれも育ちも厚木。音楽経験は厚木中のブラバンで小太鼓を叩いた位。それでも音楽に対する情熱は強く、卒業後は東京各地のジャズ喫茶へ。住み込みで働き、楽器運びを手伝うこともあった。その後はホテルマンやコーヒー会社、タクシー運転手など、様々な職業を経験。それでも音楽への想いを捨てきれず、厚木でパブを営んだこともあった。「情熱しかないんです、私は」。目をキラキラさせながらそう話す。
○…現在の仕事、タクシー運転手はこの道25年。さまざまな客を乗せてきた。印象深いのは雨の日に企業の接待から帰る客を乗せた時。「接待の成功を決めるのはタクシーの運転手。タクシーで嫌な思いをすると私のせいで接待全体の印象が悪くなる。車を降りた後水たまりに入らないよう、家に帰るまでの道を車のライトで照らしてあげたんです」と。これぞまさしく日本の「おもてなし」の精神かと膝をうった。
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