市郷土資料館の収蔵資料展で講師を務める 澤田 五十二(いそじ)さん 三田在住 71歳
石造物に思いを馳せて
○…「あつぎの石と石造物」をテーマに5月24日(日)、市郷土資料館で展示関連講座の講師を務める。当日は、厚木に残る造立年度が確認できた石仏などを写真とともにスライドで紹介する。「石造物は郷土の先人が私たちに残してくれた貴重な石造文化遺産。誰が何のために建てたのか目的を探り、理由を追っかけるのが楽しい。身近な石造物が私たちに何を伝え、何を語っているのか思いを馳せていただけたら」と低く落ち着いた口調で話し始めた。
○…石造物に魅せられたきっかけは、荻野新宿にある「法界寺」の地蔵菩薩との出会い。昔、仕事で訪れた長野県の高遠町(たかとおまち)と厚木との間に石工のつながりがあったことに興味をもった。三田に移り住んで40年。「第二のふるさと」厚木の土地を郷土的な観点から知りたいと思い、1990年から調査研究を始めた。休日を利用し、市内全域をくまなく歩いた。「調べることが好き」という性格が合っていたのか、多くの文献をひもとき、郷土史家にも積極的にアドバイスを求めた。「昔から見たり聞いたり読んだり。でも体系的に勉強はしてこなかったから…」と謙遜するが、足かけ18年の歳月をかけて『厚木の石仏』『相模の高遠石工』の2冊の著書を刊行した。
○…石造物の話になると、「たとえば、下川入や三田、上古沢には馬頭観音がたくさんあります。馬がいて、農業が盛ん。農耕に使う材木を運搬するからね。厚木でも地域性や歴史が分かるので面白いですよ」と資料をもとに丁寧に解説してくれたその姿は、まるで大学の教授のよう。
○…横浜市の生まれ。実は理科系の出身。大学では金属について学び、卒業後は、ばねのメーカー日本発条(株)に就職した。趣味は音楽で、特にクラシックが大好き。書棚にはCDがいっぱい。土日は「合唱ざんまい」というように、2つの男声合唱団に所属。パートはバス。県文化財協会会員。妻と子どもは3人。
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