森の里ぐるっと「深夜便」のプロジェクトリーダーを務める 武井 主税さん 森の里在住 70歳
街づくりは仲間づくり
○…夜遅く帰ってきても、近所のおじいさんが駅から家まで送ってくれる。そんな不思議な話がとうとう現実になった。住民が主体となった地域交通「森の里ぐるっと」の深夜便プロジェクト。金曜深夜、愛甲石田駅から森の里まで無料で送迎する。そのまとめ役として運行日は自ら駅前に立ち、旗を片手に「ぐるっと深夜便です」と声掛けする。過去3回の乗客数はのべ53人。「利用者の大半は20〜40代。利用をきっかけに、若い世代が森の里の住民であることに誇りと自負を持ってほしい」と訴える。
○…山北町出身。結婚を機に渋沢、飯山と移り、妻が応募した森の里の分譲に当選し「何かの縁」と移住。20年前に4丁目の自治会長を経験。15年前、自治会活動のサポート組織として役員経験者と共にぐるっと運営組織の前身となる「森の里ふぉ〜らむ」の立ち上げに関わった。ホタルの繁殖や公共施設に門松を提供するなどの地域活性化の事業と並行して、交通・少子高齢化・防犯防災といった地域課題の方策を議論。そこで挙がった「森の里から愛甲石田まで直送便を走らせる」計画を15年越しに実現させた。
○…他にも自治会対抗のソフトボールリーグ戦を発足させるなど、発想豊かなアイデアマン。その下地にあるのが、山北で過ごした少年時代。「ガキ大将」で、小さな子の面倒をよく見ていた。「野球のチームを作っても、1・2年生の子と6年生が一緒。能力差がある中で、何とか3時間飽きずに持ってほしいと、楽しめることを色々考えた」。当時を知る兄弟は、森の里での取組みを「子どもの頃と同じじゃないか」と笑う。
○…古希を過ぎても、少年時代同様周りには同じ地に住む多くの仲間がいる。「森の里の住環境はもともと公団から与えられたもの。その中で些細なことは許し合える、困ったときは助け合う人間関係の構築こそが、本当のまちづくりだよ」。自信満々にそう語った。
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