石造物に込められた先人の心や地域の歴史を身近に―。第50回収蔵資料展「あつぎの石造物〜しらべ、しるし、つたえる〜」が5月10日(日)から寿町の郷土資料館で開かれる。
今回の資料展は、同館で活動してきた「あつぎの石造物を調べる会」(武田量雄(かずお)代表・毛利台在住・70)と同館との協働で実現するもの。石造物から分かる歴史や調べる楽しさを広く市民に紹介することが目的。
同会は、2000年に学芸員の大野一郎さん(現館長)が講座「石造物に親しむ会」を立ち上げたことをきっかけに2011年、「あつぎ石造物の会」として有志が集まり新たな活動を開始。現在の会の名前となったのは2014年。
1977年に毛利台に移り住んだ武田代表。当時の勤務先が横浜の青葉台だったことで、厚木との接点が少なかったという。還暦を前に地元との関わりを深めたいとの思いが強くなり、石造物の調査や研究などをはじめるようになった。
会期中は、庚申塔、道祖神、災害記念碑、道標、地蔵など厚木の石造物を写真で展示。データや七沢石工の道具などの関連資料で解説する。また、同会会員がイラストで描いた石造物を展示するのも特長。
目玉は、同会が数年かけて調査し、昨年度から制作してきた南毛利地区(愛名・長谷・温水・恩名・戸室・船子・愛甲)の「あつぎの石仏ウォーキングマップ」。約50枚の写真が、解説文と一緒に展示される予定。実際にその場所を歩くことができるように、マップや資料も配布される。
武田代表は「石仏は本当にきれい。コースはのんびりと歩けますので、この機会に地区をさらに詳しく知ってほしいと思います。ハイキング感覚で、実際に見ていただけたら」と話した。
石造物は、そこに込められた信仰、慰霊、顕彰など先人の心を知ることができる貴重な文化財。また、厚木の地に生きた先人の願いや生活文化を知るきっかけにもなる。
会期は6月21日(日)まで。午前9時から午後5時。無料。5月31日(日)(午前9時から)には、同会講師のもと、見学会「あつぎの石仏めぐり」も予定されている。
詳細、問合せは、同館【電話】046・225・2515。
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