入学おめでとう!
コロナ禍でも季節は変わり、新学期がスタートしました。
私が厚木高校に入学したのは45年前。その時見た光景が忘れられません。校舎の玄関にその年の各大学の合格者名が短冊にされてズラリと貼り出されていたのです。中央から見事に偏差値順に並べられておりました。個人名全開です。今こんなことをやったら大問題となりそうですが、おおらかな時代というか、そういう価値観一直線で世の中が動いていたのでしょう。我ら新入生も特に疑問は感じていなかった。県下有数の進学校・厚木高校に入学した目的は、良い大学に行くためです。落ちこぼれは去れ!と思ってた。
しかし多くの者が、最初の実力試験で打ちのめされることになります。それぞれ地元の秀才だったのが、上には上がいることを思い知ります。当時一学年、五百人ほどでしたが、私の序列は四百番でした。その瞬間人生に絶望したと言っても過言ではありません。去るべきは俺だった……。
私の経歴では高校時代に演劇と出会って人生が変わったことになっています。しかし実は、それ以前に、この大ショックがあったのでした。そのまま勉強のみに生きるのは辛過ぎる。自衛本能が働いて、避難場所を探した気がします。顧みて若き日の自分を褒めてあげるとすれば、この時の身の処し方だったと思います。うまく逃げたナ。
新入生諸君に、この言葉を贈ります。落ちこぼれてみるのも悪かぁないさ。
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5月10日