頑張り過ぎず、肩肘張らず、ぼちぼちと――。一昨年4月から、復興支援のために毎月被災地へ車を走らせている団体がある。地元20代の若者3人が立ち上げたボランティアグループ「ぼちぼちいこカー」。震災からじき2年を迎える今、被災地で求められていることは何か、発災直後から現地を見続けてきた彼らに聞いた。
今も復興途上「被災地忘れないで」
立ち上げたのは石渡雅大さん(26)、小田まむやさん(26)、宇多川薫さん(27)の3人。いずれも地域の奉仕団体、ロータリークラブの留学生として海を渡った経験を持つ仲間で、震災後、「自分たちも被災地で出来ることを」と意気投合したのをきっかけに活動を開始した。
行く先は福島県南相馬市。地震と津波で壊滅的な被害を受け、今もなお原発事故の影響が続いている。4月、初めて被災地入りしたメンバー。小田さんは当時の状況を「あまりの酷さに何十年経っても元には戻らないのではないかと感じた」と振り返る。「1回来ただけでは何も変わらない。また来なくては」。皆そんな思いに駆られた。
続けることに意義がある。グループ名に「ぼちぼちいこカー」と名づけたのも「頑張りすぎず、復興支援をしていこう」との思いからだ。実際、震災から1年も過ぎると現地で見かけるボランティアの数は次第に減っていったという。「必要とされるものが変わっただけ。まだ支援は必要なのに」。
メンバーは皆会社員。日ごろの仕事の合間を縫って、毎月逗子から車を同市まで走らせる。このところの主な活動は離散した地域コミュニティを再生させるために始めた「交流ひろば」。仮設住宅の利用者らを集会場に集め、マッサージやクラフト作りなどイベントを企画し、交流の機会を作っている。毎回数十人が足を運ぶといい「最近は皆笑顔ですごく雰囲気がいい」と手ごたえも感じている。活動に賛同するツアー参加者も増え、29人乗りのバスが満席になることもしばしば。支援の思いは広がっている。
今、3人が訴えたいのは「被災地を忘れないでほしい」ということ。「支援は希薄になっているが、まだ復興とはいえない。ちゃんと目を向けてほしい」。復興は、途上。自身らの活動も、「地元(南相馬)の人たちが私たちの活動を引き継いで、軌道にのるまで」続けるつもりだ。
ぼちぼちいこカーの活動、問合せは同HP(http://bochibochiikocar.jimdo.com/)まで。
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